小学6年生の時、美内すずえのデビュー作に出会い
たちまち大ファンになった少女は、
中学入学後、毎月欠かさずファンレターを書き送ると同時に
自身も作品を投稿し始める。
高校三年生の時に別マ(=別冊マーガレット)でデビューし
同じ年の夏休みに美内すずえのアシスタントを体験。
その後、短大を終えて、76年~81年あたりまで、
自分の作品を描きながらいろんな漫画家のアシスタントをかけもち。
本書はそんな当時の体験を漫画にした笹生那実
32年ぶりの商業出版!!
いやいや、まさか!本当に!?
数年前、総特集 三原順 少女マンガ界のはみだしっ子で目にした
「くらもちふさこ×笹生那実のスペシャル同窓対談」のあの感動をもう一度!?
しかも今度は三原順だけでなく
美内すずえ、くらもちふさこ、樹村みのり、山岸凉子……と、
豪華絢爛のシュラバ(?)が大公開。
漫画家たちの顔が、作風に合わせて描き分けられているのも楽しい。
中学、高校時代から懸賞に応募してプロデビュー、
20代のうちに辞めてしまう漫画家も多かった中
漫画を描くことを青春の記念では終らせない!
生涯の仕事にしよう!!と奮闘した少女漫画家たちと
自分もプロデビューを夢見て、
あるいはデビュー後、自分の漫画を描きながらも
売れっ子漫画家たちを支えた多くのアシスタントたち。
1週間、風呂に入らないとか、蒲団で寝ていないとか、
そんな時代を振り返りながら、
でもあれは今で言う「ブラック」とは違っていてね、
と懐かしそうに語りあう。
それはまた、とりもなおさず
読者にとっての青春の1ページであるとは興奮しつつも
少しひいて冷静に考えるとやっぱり「ブラック」で
若い描き手たちのやる気とやりがいを大いに搾取して
出版社はいったいどれだけ儲けたんだろうなあなどと
思ってしまうあたり、
思えば私、随分、遠くに来てしまったなあ。