関西圏で活動する翻訳者が集まって結成された『同人倶楽部 ほんやく日和』による同人誌の第二弾。
前回同様、19世紀~20世紀にかけて活動していた女性作家の短編を集めた翻訳アンソロジーだ。
巻頭を飾るのは、vol.1ですっかりお馴染みになった感のある、イーディス・ブラウン・カークウッド文&M・T・ロス絵の『動物の子ども図鑑 その2』、前回同様翻訳はやまもとみきさんだ。
今回も、楽しくかわいく、ときどきどきっとするどい。
つづいて登場するのはなんと、あのフランセス・ホジソン・バーネットの『わたしのコマドリ』!小谷祐子さんが翻訳されたこのエッセイ、『秘密の花園』の裏話とも言えるエピソードが紹介されているのだが、これがすごい!すごくいい!!なんちゃってバードウオッチャー(?)の私にとっては感涙もので、『秘密の花園』を再読しなくては!という気持ちにも。
岡本明子さんが手がけるのは前回に引き続き、ルーシー・モード・モンゴメリーで、『アイランド・ロックでの冒険』と『ダベンポートさんの幽霊話』の2作品。
お気に入りは『アイランド・ロック…』。やっぱり犬と少年はてっぱんだよね。
ラディーもアーネストもなんて賢いんだ!
井上舞さんの翻訳は『暗闇』は、やっぱりイーディス・ネズビット!
安心安定&期待通りのゾワゾワ感で、読み応えもたっぷり。
でもまさか、あそこに………!!!
イーディス・ネズビット、商業ベースでもいけるのではなかろうか??
朝賀雅子さんはアンナ・キャサリン・グリーンの2作。
『黒い十字架』にうわーそういう話だったのか!と青ざめ、『不可解な症例』にホームズの『まだら紐』を連想するなど、どちらもなかなかの読み応え。
トリはまえだようこさんで、メアリ・ラーナーの『小さなわたしたち』。
いよいよ人生に別れを告げようとしている老女の物語に、思わず胸を詰まらせながらも、読み終えた後、なんだかとても穏やかで優しい気持ちになることができる作品だ。
総じて、vol.1 よりもいろんな意味でパワーアップしている感じ。
次が出たらまた必ず読もう!