先日、久々に上京する機会があって
これまた久々にビルの高層階から窓の下を眺めた。
所狭しと立ち並ぶ建物
行き交う車
駅に吸い込まれていく人々に
地下道から掃き出されてきたように見える人たちの列…。
ぼんやりと眺めながら
ちょうど読みかけだったこの本のことを考えていた。
駅周辺の路上で暮らす人たちの話。
この韓国の小説を紹介してくれた若い方は、
この本を読みながら
日本にも広がりつつある格差のことを考えてしまった~と言っていたけれど、
私の感覚はむしろ逆で、
この本は、随分前、私がまだ毎日のように
満員列車に乗っていた頃のことを思い出させた。
駅前の小さな商店街や
路地裏の木造建築、
時折耳にした地上げ屋の横暴、
なぜだかいつまでも終らない駅の改修工事
夜になると並ぶ通路脇の段ボール
久々に都会を歩いてみると
あちこち再開発が進んでいて、
目にする段ボールの数も格段に減った気がしたが
あの人達はどこにいったのだろうか。
物語の中には
俺がいて、女がいて、ネズミの世話をする男がいて、松葉杖をつく老人がいる。
支援センターのスタッフや日雇い仕事の手配師には名前があるのに
路上生活の面々には呼び名さえつけられていない。
“ここを追い出されたら路頭に迷うことになる”と必死に訴える人々がいて
“だからなんだ?俺たちはその路頭から来たんだ”と思う人たちがいる。
これだけはと手元に残してあった身分証明書までも金に換えてしまって
その金でまた酒を飲んでしまう人々の
その気持ちがよくわかると言ったら嘘になる。
けれども、読み終えた今も
人と人との交わりについて
愛について
生きることの意味について
深刻なはずなのにだんだんと見えづらくなってきている気がする貧困について
でも、だけど、それでも……と
都会の喧騒を思い浮かべながら
あれこれと考え続けている。
これまた久々にビルの高層階から窓の下を眺めた。
所狭しと立ち並ぶ建物
行き交う車
駅に吸い込まれていく人々に
地下道から掃き出されてきたように見える人たちの列…。
ぼんやりと眺めながら
ちょうど読みかけだったこの本のことを考えていた。
駅周辺の路上で暮らす人たちの話。
この韓国の小説を紹介してくれた若い方は、
この本を読みながら
日本にも広がりつつある格差のことを考えてしまった~と言っていたけれど、
私の感覚はむしろ逆で、
この本は、随分前、私がまだ毎日のように
満員列車に乗っていた頃のことを思い出させた。
駅前の小さな商店街や
路地裏の木造建築、
時折耳にした地上げ屋の横暴、
なぜだかいつまでも終らない駅の改修工事
夜になると並ぶ通路脇の段ボール
久々に都会を歩いてみると
あちこち再開発が進んでいて、
目にする段ボールの数も格段に減った気がしたが
あの人達はどこにいったのだろうか。
物語の中には
俺がいて、女がいて、ネズミの世話をする男がいて、松葉杖をつく老人がいる。
支援センターのスタッフや日雇い仕事の手配師には名前があるのに
路上生活の面々には呼び名さえつけられていない。
“ここを追い出されたら路頭に迷うことになる”と必死に訴える人々がいて
“だからなんだ?俺たちはその路頭から来たんだ”と思う人たちがいる。
これだけはと手元に残してあった身分証明書までも金に換えてしまって
その金でまた酒を飲んでしまう人々の
その気持ちがよくわかると言ったら嘘になる。
けれども、読み終えた今も
人と人との交わりについて
愛について
生きることの意味について
深刻なはずなのにだんだんと見えづらくなってきている気がする貧困について
でも、だけど、それでも……と
都会の喧騒を思い浮かべながら
あれこれと考え続けている。
(2019年10月16日 本が好き!投稿)