かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021年1月の読書

1月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:3994
ナイス数:394

海にいったらいい海にいったらいい感想
「父キトク」の報に、急遽ベオグラードから駆けつけた詩人は、病床に付き添いながら病院の売店で購入したノートに詩を綴った。全部で7冊にもなったというそのノートを、1冊の詩集にまとめるのに5年の歳月を要したというのだが、それはおそらく、父の死と向かいある娘にとってとても大切な時だったのに違いない。そんな風に思える詩集だ。
読了日:01月27日 著者:山崎 佳代子
アウグストゥスアウグストゥス感想
あの『ストーナー』の著者の作品!という期待と、『ストーナー』とは違う訳者による翻訳であることや、古代ローマアウグストゥスといういささか新鮮味に欠ける題材であることとの間で、読むべきか読まざるべきかと若干葛藤していたところ、先行レビューの素晴らしさから、これはまずい!早く読まなければ後悔するに違いないとあれやこれやの予定をすっとばし、いそいそと読み始めたこの本。嘘でしょう!?と思わず、声をあげたくなるぐらい面白かった。
読了日:01月25日 著者:ジョン ウィリアムズ
暗い時代の人々暗い時代の人々感想
ハンナ・アレントの『暗い時代の人々』(Men in dark times)から引いたタイトルの本書に、著者が描き出そうとしたのは1930年から45年の「暗い時代」に「精神の自由」を掲げて戦った人々。“大正デモクラシーの残照から、昭和の軍国主義に雪崩れていく時代”にあって、“ちらちらとゆれる、かすかな光”をともしながら生きたとされる山本宣治、山川菊栄、竹下夢二ら9名だ。2015年~16年にかけて、亜紀書房のウェブサイト「あき地」に連載されたものに、大幅な加筆修正を加え新たに九津見房子の章を書きおろしている。
読了日:01月24日 著者:森 まゆみ
母と私―九津見房子との日々母と私―九津見房子との日々
読了日:01月24日 著者:大竹一燈子
九津見房子、声だけを残し九津見房子、声だけを残し
読了日:01月24日 著者:斎藤 恵子
九津見房子の暦―明治社会主義からゾルゲ事件へ (1975年)九津見房子の暦―明治社会主義からゾルゲ事件へ (1975年)
読了日:01月24日 著者:九津見 房子
お探し物は図書室までお探し物は図書室まで感想
「本も、そうなの。作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐付けてその人だけのなにかを得るんです」(p296) 優しくて温かくて柔らかい、羊毛のような感触の5つの連作短編。それぞれなかなかの読み応えのある物語ではあるのだけれど、難を言うとちょっとばかり、本や図書室との接点が物足りないかも……と思っていたのだが、そういった不満も最後の物語でしっかり吸収してくれる。本屋大賞ノミネートも納得の一冊だ。
読了日:01月22日 著者:青山 美智子
冬の庭冬の庭
読了日:01月21日 著者:室生 犀星
冬
読了日:01月21日 著者:芥川 竜之介
或る秋の紫式部或る秋の紫式部
読了日:01月21日 著者:岡本 かの子
漱石山房の冬漱石山房の冬
読了日:01月21日 著者:芥川 竜之介
漱石山房の秋漱石山房の秋
読了日:01月21日 著者:芥川 竜之介
氷の伯爵 (ハーレクイン文庫)氷の伯爵 (ハーレクイン文庫)感想
疲れが溜まっていたときに、#ハッピーを感じられる本 として紹介されるのをみて、思わずKindleサンプルをダウンロード。読み始めたらなかなか面白く、結構なボリュームが無料で提供されていて、後はもうハッピーエンドになるだけでは?と思いつつも、ここまで楽しませてくれたのだからとポチったら、その先がまだまだたっぷり!?あれやこれやと盛りだくさんで、思いがけず読みふけることに(^^ゞ (おそらく)はじめてのハーレクイン文庫、新鮮(?)でした。
読了日:01月20日 著者:アン グレイシー
秘めた情事が終わるとき (二見文庫ロマンス・コレクション)秘めた情事が終わるとき (二見文庫ロマンス・コレクション)感想
#はじめての海外文学 vol.6 の一冊だということで、サスペンスやホラー、イヤミスのたぐいは、ちょっぴり苦手なのだけれど、ロマンス小説なら大丈夫かも!?と読んでみた。 読んでみたら、これが意外(?)におもしろくて、ぐいぐいと一気読み!でもこれネタバレなしに紹介するのは難しい。
読了日:01月18日 著者:コリーン・フーヴァー
オビー (韓国女性文学シリーズ9)オビー (韓国女性文学シリーズ9)感想
書評サイト本が好き!を通じて,とても読みたかった本をいただいた。デビュー後の4年間に発表された9つの短編を一冊にまとめたキム・ヘジン初の短編集。浮かび上がってくるのは、世の中のあれこれや、目の前のあの人この人、そしてまた自分自身の人生からも、目をそらしたいのにそらせずに、いらだちすら抱えている若者たち。時には世の中と真摯に向かい合いたいと考えるあなたにお薦めの1冊だ。
読了日:01月13日 著者:キム・ヘジン
ヘヴンヘヴン
読了日:01月11日 著者:川上 未映子
JR上野駅公園口JR上野駅公園口感想
子どもの頃、夏休みになると、上野から東北本線に乗って仙台に住む祖父母の下に一日がかりで行ったものだった。昭和35年、36年生まれの知り合いには「浩」の字がつく名前が多い。「出稼ぎ」という言葉はいつの間にか「派遣」に取って代わられて…。いつか震災や原発事故の記憶も薄れていってしまうのだろうか。だとしたら、だからこそ、書かれるべき時に書かれた作品だといえるのかもしれない。なにもかもがなかったことにならないうちに。
読了日:01月11日 著者:柳 美里
1984年に生まれて (単行本)1984年に生まれて (単行本)感想
その時代、その年齢だった時に自身が感じたことや経験に別の衣をまとわせてフィクションとして描くという「自伝体小説」。1984年生まれの著者は、同じ年生まれの主人公軽雲という衣をまとって悩み苦しむと同時に、娘が生まれたその年に人生の大きな分岐点にさしかかった軽雲の父親沈智の物語をも語りあげる。一見するととても内省的な物語であるように思われるのに、実は中国という国の歴史や社会、そこで暮らす人々の生き様を描いていて、さらにはそれは「中国」という衣をまといつつ人間の普遍的な問題を扱っているように思われた。
読了日:01月11日 著者:郝 景芳
一塊の土一塊の土感想
読友さんのレビューに惹かれて読んでみた&書いてみた。
読了日:01月07日 著者:芥川 竜之介
きらめく共和国きらめく共和国感想
カラフルな装丁ときらきら光るタイトルにすっかり騙されて、読み始めたらなんとも風変わりなサスペンスだった!? まさかこれ、本当にあったことではないよね? 実際の事件をもとにしているとか? などと、思わず考えてしまうほど、妙にリアルなのは、22年経ったといいながらも未だ思い出すたびに感じずにいれらない語り手の動揺が伝わってくるかのようなリアルな筆運び故か。 いやそれだけではないだろう。 差別や貧困や社会的不平等といった、人が思わず目を背けてしまいがちなあれこれが、鮮やかに描かれているせいかもしれない。
読了日:01月05日 著者:アンドレス・バルバ

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