かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

『シロクマが家にやってきた! 』

 

 このタイトルにこの表紙をみたら
どう考えてもナンセンスながらアットホームなコメディだろうと思わない?

ところがこの本ときたら、めちゃくちゃシリアス。

主人公の少年アーサーには、障がいをもつ弟がいる。
弟のリアムは大きな音がとても苦手で、
両手で耳をふさぎ、体を前後にゆすりながら、大きな声でうめきだすし、
突発的な出来事に上手く対応することが出来ない。
そんなわけで、
家族の中心はいつもリアムで、アーサーはいつもがまんを強いられているのだ。

ある日、楽しみにしていたサッカー中継を観ることができなくなったアーサーは
弟にも両親にも愛想を尽かせて家出を決意。

玄関のとびらをいきおいよくあけたのだが、
そこにはシロクマが立っていた?!

なんだかんだの末、
アーサーはひとまず家出をとりやめ、
シロクマのミスターPは、アーサーの家のガレージで暮らすことに。
このミスターP、スクールバスにのって子どもたちと一緒に学校にも行ってしまうのだ。

心優しく陽気なシロクマのおかげで、
アーサーはいろいろな“発見”をし
アーサー自身はもちろん、
両親や友だちもそして弟のリアムも少しずつ変わっていく…。

「お兄ちゃん」の心にやさしく寄り添ったこの物語。
あなたがもしお兄ちゃんやお姉ちゃんだったなら特に
「あるある!」がいっぱいあることだろう。

私の勝手な想像ではたぶん
シロクマのミスターPは メアリー・ポピンズの親戚筋に
あたるのではないかと思うのだけれど
もしだれか、
どこかでミスターPに出逢ったら聞いてみてくれないかしら?

              (2018年02月28日 本が好き!投稿)