かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021年2月の読書

2月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:3528
ナイス数:388

「カラマーゾフ兄弟」の翻訳をめぐって「カラマーゾフ兄弟」の翻訳をめぐって感想
ロシア語に不案内な読者でも十分楽しめる翻訳読み比べ読本。
読了日:02月26日 著者:大島 一矩
見知らぬ友 (世界傑作童話シリーズ)見知らぬ友 (世界傑作童話シリーズ)感想
アルゼンチンの児童文学作家による短篇集。YA小説だが若い世代だけに独占させておくのはもったいない読み応えのある作品群だ。ちょっと困った人々を優しく包み込むような視線と、行間からにじみ出るユーモアが、決して明るい題材ばかりではないにもかかわらず、読み手の心をじんわり温めてくれる。とりわけお気に入りは、ピンチになるとあらわれる「見知らぬ友」、観賞魚が仲立ちする淡い想い「ヴェネツィア」、作家の子ども時代を思わせる「地球のかたわれ」あたり。本書のトリをつとめる「クラス一の美少女」も忘れがたい。
読了日:02月24日 著者:マルセロ・ビルマヘール
「グレート・ギャツビー」を追え (単行本)「グレート・ギャツビー」を追え (単行本)感想
「今度の作品には法曹関係者はほとんど出てこないかわりに、アメリカの書店や出版界の事情がたっぷり出てくる」と聞いて、久しぶりに手を伸ばしてみたグリシャム。ミステリとして読むと今ひとつだが、稀覯本収集や米国の書店経営事情、売れっ子作家の作り方等々、本好きには堪らない要素をたっぷり盛って、テンポ良く一気に読ませるのはさすが。生活費の為に読者に受ける要素を研究し、徹底的に盛り込んだロマンス小説でベストセラー作家の地位を築いたベテラン作家が、書き悩むヒロインに助言するあれこれもおもしろい。
読了日:02月22日 著者:ジョン・グリシャム
計画計画
読了日:02月21日 著者:ボードレール シャルル・ピエール
消失の惑星【ほし】消失の惑星【ほし】感想
新鋭米国作家が自然豊かで美しいカムチャツカを舞台に描いたのは、懸命に生きる女たちの痛みと希望、喪失と再生の物語。登場人物の多さと次々切り替わる場面に、相関図を作るべきかと迷ったが、読み進めていくうちにそれぞれの物語をじっくり読み込めば良いのだと気づく。登場人物それぞれに物語があって、そのどれもが読み応えがあると同時に余白がある。ページをめくり続けても全体像はなかなか見えないが、「自分の人生の中では誰もが皆主人公」なんだよな…などと考えながら、それぞれの人生に思いをはせる時間も楽しかった。
読了日:02月19日 著者:ジュリア フィリップス
〈戦後文学〉の現在形〈戦後文学〉の現在形感想
戦後文学から現在を考えるというコンセプトのこの本は、戦後文学の60作品の解説と13のコラムからなっていて、3人の編者を含め総勢37名の書き手も、若手からベテランまで豊富な人選、目次だけでも一見、二見の価値があった。ひととおり目を通しはしたものの、まだまだ読めたとは言えそうにない奥深い1冊。
読了日:02月17日 著者: 
白い病 (岩波文庫)白い病 (岩波文庫)感想
#はじめての海外文学 vol.6 この作品、もう随分前に別訳で読んだことがあったのだが、その時の私は、ナチスドイツの侵略への抵抗文学としてとらえていた。けれどもコロナ禍で改めて読むと、少し印象が違ってくる気も。そしてまた、改めて読むと、作中の若者たちが抱いている閉塞感といったら…。この作品の投げかけるあれこれが人類にとって普遍的なものなのか、はたまた、あるいはもしかして、私たちもまた、かつての戦争前夜のような状況に直面しているということなのか、読み終えた後もあれこれ考え込まずにはいられない。
読了日:02月15日 著者:カレル・チャペック
午前一時に午前一時に
読了日:02月14日 著者:ボードレール シャルル・ピエール
窓
読了日:02月14日 著者:ボードレール シャルル・ピエール
評伝 九津見房子 ~凛として生きて~評伝 九津見房子 ~凛として生きて~感想
書評サイト本が好き!を通じての頂き物。これまで読んできた九津見関連本の中で,断トツの読みやすさ。ずっと気がかりだったことが知れて良かった。
読了日:02月12日 著者:堀 和恵
編集者ぶたぶた (光文社文庫)編集者ぶたぶた (光文社文庫)感想
作家でも編集者でもないけれど、文壇カフェで読み終えたばかりの本のことをぼんやりかんがえながら、コッペパンをかじりたい。あれこれと疲れているとき、ぶたぶたさんは本当に良く効く。逆に言うと私の場合、ぶたぶたさんに会いたくなったら、ちょっと休んだほうが良いという、心身の合図というところかも。
読了日:02月11日 著者:矢崎 存美
kaze no tanbun 移動図書館の子供たちkaze no tanbun 移動図書館の子供たち感想
今回のお気に入りは、斎藤真理子、藤野可織松永美穂
読了日:02月11日 著者:我妻 俊樹,円城 塔,大前 粟生,勝山 海百合,木下 古栗,古谷田 奈月,斎藤 真理子,西崎 憲,乘金 顕斗,伴名 練,藤野 可織,星野 智幸,松永 美穂,水原 涼,宮内 悠介,柳原 孝敦
その他もろもろ: ある予言譚その他もろもろ: ある予言譚感想
巻末収録の北村紗衣氏の解説によると、1918年にイギリスで発表されたこの作品は、政治とメディアの関係を辛辣に風刺した内容が攻撃的すぎるとのことですぐに回収されてしまったのだとか。翌年、若干の修正後再刊されたが、その後100年間ほぼ注目されることがなかったこの作品が、何故今になって注目を浴びることになったのか、その原因の分析を含めた解説もなかなか興味深い。確かにこれはディストピア小説。同時に働く女性を主人公にしたお仕事小説でもあり、結婚や出産といったある意味、普遍的なテーマを扱ったラブストーリーでもあった。
読了日:02月08日 著者:ローズ マコーリー
「社会」のない国、日本 ドレフュス事件・大逆事件と荷風の悲嘆 (講談社選書メチエ)「社会」のない国、日本 ドレフュス事件・大逆事件と荷風の悲嘆 (講談社選書メチエ)感想
失われた時を求めて』からの派生読書。ドレフュス事件のことを知っておきたくて。
読了日:02月07日 著者:菊谷 和宏
翻訳の生理・心理翻訳の生理・心理
読了日:02月07日 著者:神西 清
翻訳遅疑の説翻訳遅疑の説
読了日:02月07日 著者:神西 清
翻訳のむずかしさ翻訳のむずかしさ
読了日:02月07日 著者:神西 清
浮雲浮雲感想
『〈戦後文学〉の現在形』からの派生読書。林芙美子は随筆ぐらいしか読んだことがなかったが、「戦中」「戦後」を考える上でも、またフェミニズム的な観点からもなかなか面白かった。そして……これは余談ではあるけれど、ベトナム!私もまた行きたいなあ。
読了日:02月07日 著者:林 芙美子

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