かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

『妄想書評』

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作家絲山秋子さんによる書評集。
ネットでの連載が打ち切りとなったエッセイを、
地元の印刷会社さんの協力を得てまとめた自費出版の小冊子なのだそうで
犬が本を読んでいる表紙イラストも絲山秋子さんご自身によるものなのだとか。
手ざわりも心地よい著者のサイン入りのお宝本。

早速、ページをめくってみると、
あれも、これもと気になる本が。

例えば、
ミラーナ・ケドロフスカヤの『薄明薄暮性動物の憂鬱』
近未来のカムチャッカ半島を舞台に
明け方と夕方の薄明るい時間帯と薄暗い時間帯に
活動が活発になる薄明薄暮性動物たちの姿を通して命の切なさを描く作品と聞けば、
これはもう読まずにはいられません!


あるいは『カント式純粋夏休み読書感想文批判』(戸袋収蔵著)
これもなかなか面白そう。是非読みたい!
読んでレビューを書いてみたい!


旅好きの私としてはチャンプル出版の『ほんとうに会える世界の村長』も
気になるところ!
市長でも町長でもなく村長!ってところがまた
田舎好きのツボを押しまくる。

という具合に、
またまた読みたい本のリストを伸ばしてしまった訳なのだが、
非常に残念なことながら、この本で紹介されている作品はすべて
絲山さんがつくりだした架空のもの。

妄想もここまで作り込むともう立派な作品だ。


    ****おまけ****

もちろん、作家のそれにはおよびはしないが、こういうのを読むと自分もやってみたくなるのはお約束。
というわけで、私もひとつ。

『先見の明か道楽か---ある書評サイトの挑戦』
  (サンペーリ著/とうこう・あい出版) 
ひと癖もふた癖もあるレビュアー達が集う書評サイト「本が好き!」の立ち上げから現在、そして未来への展望をサイト編集部を有する会社社長が語る興味深い1冊。
社長自らが執筆した イラスト付きレビューも必見。