かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021年9月の読書

9月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3849
ナイス数:486

ムーミン全集[新版]6 ムーミン谷の仲間たち (ムーミン全集 新版 6)ムーミン全集[新版]6 ムーミン谷の仲間たち (ムーミン全集 新版 6)感想
旧版と読み比べてみると、新版のよさがきわだった。これからそろえるならこの版がお薦め。私ももう少し読み比べてみよう。
読了日:09月29日 著者:トーベ・ヤンソン
存在の瞬間―回想記存在の瞬間―回想記感想
著者の死後、研究者によって編まれたヴァージニア・ウルフの自伝的著作集。サセックス大学所蔵のウルフ文書の中から選び出された5篇が収録されている。編者の序文によれば、英文学史にあれほど深く個性的な貢献をしたヴァージニア・ウルフの目と感受性とを豊かに照らし出す資料として、その重要性に鑑み、関係者の同意のもとに編集出版されたのだとのこと。読者を十二分に意識した著作でもあるので、作家のプライベートをのぞき込んでしまうような後ろめたさを感じさせられる心配はない。ウルフの著作を読み解く上でとても参考になりそうだ。
読了日:09月27日 著者:ヴァージニア・ウルフ
お話きかせてクリストフ (文研ブックランド)お話きかせてクリストフ (文研ブックランド)感想
先日読んだ『行く、行った、行ってしまった』がとてもよかったので、もう少し難民問題を考えてみたいと思っていたところ、そういえば今キャンペーン中の文研出版さんにもこの問題を扱った本があったはず!と思い出したのがこの本。難民問題を正面から扱う児童文学だが、いじめのことや、口承文学のこと、文字で記録すること、本を読むということなど、様々な切り口からあれこれと考えるきっかけにもなりそうな物語だ。  
読了日:09月25日 著者:ニキ コーンウェル
行く、行った、行ってしまった (エクス・リブリス)行く、行った、行ってしまった (エクス・リブリス)感想
★★★★★ベルリンを舞台に難民問題を扱った小説なのだが、とても短文ではまとめきれそうにない。これはまさに“打ちのめされるようなすごい本”だった。
読了日:09月22日 著者:ジェニー・エルペンベック
最後のオオカミ (文研ブックランド)最後のオオカミ (文研ブックランド)感想
#文研出版よんだよ キャンペーンに触発されて、前々から気になっていたマイケル・モーパーゴの作品を読んでみた。 短い物語の中に少年の成長だけでなく、狼のこと、1700年代のスコットランド独立運動アメリカ開拓史なども盛り込まれ、若い読者がこの本を手がかりに新たに枝葉を伸ばせそうな作品だった。
読了日:09月21日 著者:マイケル モーパーゴ
予期せぬ瞬間予期せぬ瞬間感想
医療で人を救うといったヒーロー譚ではなく、医療現場に巣くう闇を告発するといった類いの本でもないが、命に関わる決断を迫られたり、手に汗握るほどスリリングな場面も。なによりも著者の真摯な姿勢が胸を打つ。
読了日:09月20日 著者:アトゥール・ガワンデ
ホントに食べる?世界をすくう虫のすべてホントに食べる?世界をすくう虫のすべて感想
先日読んだ本に虫を食べる話が出てきたことと、文研出版さんの #文研出版よんだよ キャンペーンがつながって、おそるおそる読んでみた。子供向けの本と侮るなかれ、虫の捕り方、料理の仕方、世界各国の食文化に日本で虫料理が食べられるお店、世界が昆虫食に注目するわけまで、しっかり網羅した見応え読み応えのあるなかなかすごい本だった。
読了日:09月19日 著者: 
清少納言を求めて、フィンランドから京都へ清少納言を求めて、フィンランドから京都へ感想
2019年のヨーロッパ文芸フェスティバルに登壇した著者のデビュー作が、清少納言について書いた“Things That Make One’s Heart Beat Faster”(2013年)だと聞いて以来、ぜひとも読みたいものだと思い、翻訳されるのを心待ちにしていた。なんといっても私、十代の頃からずっと清少納言のファンなのだ。リストマニアにはマニアがわかる。確かにミアの言うとおり。現にほら、この本をうれしそうに読んでいる私もその一人!
読了日:09月16日 著者:ミア・カンキマキ
やさしい猫 (単行本)やさしい猫 (単行本)感想
★★★★★結婚とはなにか、家族とはなにか、国境とは、人権とは、入管ってどうあるべきなんだろう?物語を読みながらいろいろなことを考えずにはいられなかった。 
読了日:09月14日 著者:中島 京子
ほどほど快適生活百科 (集英社文庫)ほどほど快適生活百科 (集英社文庫)感想
#ナツイチ “試行錯誤しながら見つけた、がんばりすぎずほどよく快適に暮らすための等身大の知恵が詰まったエッセイ集”であることは間違いないが、作家の人となりを知る自伝的要素も読み取れ、興味深かった。
読了日:09月13日 著者:群 ようこ
フレデリック・ショパン──その情熱と悲哀フレデリック・ショパン──その情熱と悲哀感想
リストが書いたショパンの伝記!これは是非読みたいと思っていたところ,書評サイト本が好き!を通じていただいた。この本の面白さは、リスト本人の思い出や見解だけでなく、友人たちの回想などもふんだんに盛り込んでいるところにもあって、ジョルジュ・サンドバルザックドラクロワベッリーニベルリオーズ、ハイネなど、同時代を生きた芸術家たちが顔を出す場面は見逃せない。同時にショパンを題材に語りあげられるリスト自身の芸術観も読みどころ。全編を通じてリストの語り口が熱かった!!
読了日:09月10日 著者:フランツ・リスト
立ちどまらない少女たち: 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ立ちどまらない少女たち: 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ感想
書評サイト本が好き!を通じて松柏社様からご恵贈いただき、発売日よりひと足お先に読ませていただいた。『キャンディ・キャンディ』『カリフォルニア物語』『エイリアン通り』等々、懐かしの少女漫画を思い浮かべながら、それらとあの小説この小説とのつながりに、納得したり驚いたり。なつかしい物語を思い出し、意外な指摘に興味を覚え、ああまたまたどっさり、読みたい本のリストをのばしてしまった。
読了日:09月07日 著者:大串尚代
私のもらった文学賞私のもらった文学賞感想
著者自身が1960年代から70年代初めにかけて次々と受けた9つの文学賞をテーマに書き上げたエッセーを収録。あの賞、この賞に対して、その舞台裏をも紹介しながら辛辣な言葉を書き連ねながら、それでも各賞についてくる賞金を拒むことができない懐事情にも言及する。いつも授賞式に駆けつけてくれる叔母さんとの温かなやりとりや、合間に合間に見え隠れする自伝的なあれこれも読み応えがあり、それらが作家の執筆した作品への興味をもたらしもする。文壇の舞台裏をくさしながらも、独特のユーモアに貫かれた面白い1冊だった。
読了日:09月06日 著者:トーマス・ベルンハルト
ヤーガの走る家ヤーガの走る家感想
スラヴ民話に登場する魔女「バーバ・ヤーガ」をモチーフに、家族の愛情や友だちとの絆、進むべき道を自ら選び自分の足で歩いて行くことの意味を織り交ぜながら、少女の葛藤と成長を描いたファンタジー。マリンカをとりまく、ユニークで魅力的な面々も楽しい。とりわけ私のお気に入りは、愛情たっぷりで忍耐強く、拗ねたところもかわいい、もう一人(?)の主役ともいえるマリンカが暮らす「ヤーガの家」!
読了日:09月02日 著者:ソフィー・アンダーソン

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