かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

『きみの声がききたくて』

 

ブリーダーと最初の飼い主から虐待をうけ、
ゴミ捨て場に捨てられていたところを保護された小犬は
夏休みの間、母さんと二人で、
おじいちゃんの家で過ごすことになった少年パトリックに引き取られることに。

パトリックによって「オズ」と名付けられたその小犬は、
心に深い傷を負っていて、ひどくおびえているため、
吠えることも、走り回ることもできず、
おじいちゃんの家に来た当初は、食べることさえままならなかった。

ことある毎につらい思い出のフラッシュバックに襲われておびえる子犬と
なんとか小犬の信頼を勝ち取ろうと、奮闘する少年の献身。

努力の買いあって、ようやく心を通わせ始めた一人と一匹。
だが両親の離婚問題にショックを受けたパトリックは、
犬アレルギーの父親に戻って来て貰いたい一心で、ある重大な決断をするのだった。

子犬と少年、それぞれの視点で描かれた物語。
濃淡を黒鉛筆1本で描き分けているようなモノトーンの挿絵が素晴らしい。

原題は『THE DOG WHO LOST HIS BARK』
邦題センスがまた、とても良い感じだ。