かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021年12月の読書

12月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3919
ナイス数:396

万葉と沙羅万葉と沙羅感想
「個性は本の選び方じゃなく、読んだ感想に出る」そうなんだよね。読んだはしからレビューを書き始める私など、ある意味日記を公開するより赤裸々かも!?
読了日:12月22日 著者:中江 有里
千個の青千個の青感想
読み終えるのが勿体なくて、ゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせながら、ページをめくっていたのに、ついに読み終えてしまった。すごくよかった。とてもよかった。長文レビューを書く前に、もう少しこの物語の世界に留まってみよう。あいにく、今の時期の北国の空は、どんよりとした雲が低く垂れ込める冬空ではあるけれど。
読了日:12月21日 著者:チョン・ソンラン
〈降誕祭の星〉作戦 ジヴァゴ周遊の旅〈降誕祭の星〉作戦 ジヴァゴ周遊の旅感想
幼い息子を両親に預け、研究のために日本で暮らしているアナスタシアは、倹約に倹約を重ねながら、北海道の厳しい冬を乗り越えようとしていた。そんなとき、プロフェッサーKから『ドクトル・ジヴァゴ』の“音訳”を依頼される。渡されたテキストは、15年前、アナスタシアが親友と共に夢中で読んだ、初のロシア語版『ドクトル・ジヴァゴ』だった。ジヴァゴの翻訳を手がけた著者が実話を元に執筆した小説。音訳を手がけた女性自身の手記であれば全く違ったものになったであろうとは思うが、ジヴァゴ「翻訳前日譚」としてはなるほどと思わせる一作。
読了日:12月20日 著者:工藤 正廣
帝都一の下宿屋帝都一の下宿屋感想
帝都探偵絵図シリーズの外伝なのかな?と思って読んでみたら,絵図の里見高広が下宿する「静修館」を軸とした連作短編だった。 今回のホームズ役は下宿人の一人小説家の仙道湧水。クセのある人物ながら大家の桃介の手料理にがっちり胃袋をつかまれている湧水が,身近な事件を作家ならではの想像力で解決するという展開で,帝都探偵絵図の高広と礼の二役を湧水一人でこなしているようにも見えなくはないが,まあ,これはこれでなかなかいい雰囲気だった。
読了日:12月17日 著者:三木 笙子
冬 (新潮クレスト・ブックス)冬 (新潮クレスト・ブックス)感想
『秋』につづく、四季四部作の2冊目だと聞いて、いそいそと手にした本。いつもながらアリ・スミスの作品は語るのが難しい。それなら別に書かなくてもいいのでは?と思いもするが、四部作の一作品として記憶にとどめておきたいし、一緒に併走する読友さんと出会えるかもしれないし。というわけで、長文レビューも書いてみた。↓
読了日:12月16日 著者:アリ・スミス
貧乏お嬢さま、追憶の館へ (コージーブックス)貧乏お嬢さま、追憶の館へ (コージーブックス)感想
著者によって冒頭で,本作は『レベッカ』のオマージュだと明かされるので,自ずと展開は明らで,伏線もわかりやすい,ちょっとわかりやすすぎるかも…と思いつつ読んでいたのに,後半はすっかりのせられて一気読み。うん。今回もなかなか面白かった。でもおそらくもうすぐ戦争が……この先,どうなるのかな。気になるところ。
読了日:12月15日 著者:リース・ボウエン
三十の反撃三十の反撃感想
主人公のキム・ジヘは、ソウルオリンピックが開催された1988年生まれ。「ジヘ」は、この年に韓国で生まれた女の子に1番多い名前だ。なにしろ同じクラスに「ジヘ」が5人いたこともあったぐらいだから。“堅実”に生きる弟は「現実に賢く従え」と忠告し、ギュオクは「現実に亀裂を起こす勇気を持ってみよう」と言う。正反対に位置する二つの概念に共通点があるとすれば、ジヘにとっては、どちらも向き合うのはつらいということ。読んでいて胸が痛くなったのは、若かりし日のあれこれを思い出したからというだけではなかった。
読了日:12月13日 著者:ソン・ウォンピョン,矢島暁子訳
またあおう (新潮文庫)またあおう (新潮文庫)感想
しゃばけシリーズ外伝5篇。「えどさがし」ほどのインパクトはなく、怪はあってもほんわかと穏やかな話が多かった。若旦那が長崎屋を継いだ後の「かたみわけ」がよかった。
読了日:12月11日 著者:畠中 恵
父の果/未知の月日 (大人の本棚)父の果/未知の月日 (大人の本棚)感想
少女小説とはひと味もふた味も違う、戦後に発表された中・短編小説とエッセイが収録されているまさに大人の本棚に似合いそうな1冊だった。
読了日:12月11日 著者:吉屋 信子
佐野洋子〈追悼総特集〉100万回だってよみがえる (文藝別冊)佐野洋子〈追悼総特集〉100万回だってよみがえる (文藝別冊)感想
なんといっても、谷川俊太郎✕広瀬弦 特別対談が凄かった。
読了日:12月08日 著者: 
怪盗の伴走者 (創元推理文庫)怪盗の伴走者 (創元推理文庫)感想
怪盗ロータス、今度のターゲットはまさかの⁉️でもなあ、この結末で、これから先、上手く行くのかしらん。気になるなあ~と、また続きに手が伸びそう。
読了日:12月07日 著者:三木 笙子
最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (新潮新書)最強脳 ―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業― (新潮新書)感想
「大きなごほうび、つまりより多くのドーパミンが出るのは、実際に何かを手に入れた時ではなく、もうすぐ手に入るかもと思った時なのです。」いろいろ心当たりがありすぎる!
読了日:12月07日 著者:アンデシュ・ハンセン
現代語訳 とりかへばや物語現代語訳 とりかへばや物語感想
容姿がそっくりな異母兄妹が生来の性格故に男女入れ替わって出仕するも、兄は自らが仕える女主人を陵辱し、妹は女だと気づいた友人に襲われて……!?随分昔に読んだのは子ども向けのリライト版だったのか?それとも当時は理解が追いつかなかったのか?すっかり知っているつもりだった物語の世界も、今読むと随分違って見えるな。
読了日:12月02日 著者:水谷 悠歩
君の顔では泣けない君の顔では泣けない感想
“入れ替わったこと自体への苦悩”を描いてみたかったという作家は、従来の「入れ替わり」ものによくみられたようなコミカルな面も、女が男になることによって突き破ることができるジェンダーの壁を描くようなこともなく、その“苦悩”を女になった男の視点から淡々と描いている。親の死に目にも会えないといった入れ替わりに伴う苦悩だけでなく、常に違和感を感じながら、性別や両親や生まれ育つ家庭環境といった、自分自身ではどうすることも出来ない、選択の余地のないあれこれと格闘し、懸命に生き方を模索する若者たちの姿がとてもよかった。
読了日:12月01日 著者:君嶋 彼方

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