元腕利き英国諜報部員で頭脳明晰なアイリスと、鋭い観察眼と貴族の人脈を持つ戦争未亡人グウェン。
1948年、まだまだ戦争の爪痕が色濃く残るロンドンで、一見するとあらゆる面で対照的に見える二人が共同でたちあげたのはなんと結婚相談所。
それぞれのスキルを活かして調べ観察し、顧客にふさわしい相手を紹介する仕事は、順調に軌道にのるかと思われた矢先に殺人事件に巻き込まれて経営危機に!?
…という事件の詳細が気になる方は、シリーズ第1作ロンドン謎解き結婚相談所を。
無事に事件を解決し、あの事件をきっかけに、結婚相談所の名前は広まり、二人もちょっとした有名人に。
だからだろうか?
英国王妃に仕えるグウェンのいとこから驚愕の依頼が舞い込んだのは!?
なんと、エリザベス王女が想いを寄せるフィリップ王子について、その母親の醜聞をほのめかす脅迫状が王宮に届いたというである。
英国王室はもちろん、ギリシャ情勢にも大きな影響を及ぼしかねない事態と知って、アイリスとグウェンは調査に乗り出す。
果たして王女の恋のお相手のあの美青年将校は、結婚相手として相応しいのか!?
脅迫状を送りつけてきた犯人の真の狙いはなにか!?
前作に続いて登場するあの人この人も活躍も見逃せない。
このシリーズ、予想通り面白く、どうやらどっぷり、深みにはまってしまったよう。
早くも次作が待ち遠しい。
それにしてもリリベット(エリザベス女王の幼年期の愛称)。
リースボウエンの貧乏お嬢さまシリーズでは、愛らしいフラワーガールをつとめ、スーザン・イーリア・マクニールのマギー・ホープシリーズではけなげで賢い王女として描かれていた彼女が、本作では恋する乙女に!?
毎度毎度ネタにされるのは、愛されるゆえんのことか。
あるいはもしかすると、世間の常識に抗って活躍する女性たちの物語とは相性がいいのかも?