かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2022年5月の読書

5月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:5206
ナイス数:392

犬を連れた奥さん犬を連れた奥さん感想
いつ読んでも、何度読んでも、好きになれないんだよなあ。これ。
読了日:05月31日 著者:アントン チェーホフ
いちばんたいせつなもの (世界傑作童話シリーズ)いちばんたいせつなもの (世界傑作童話シリーズ)感想
副題は「バルカンの物語」。ブルガリア(10)ルーマニア(2)スロベニア(2)クロアチア(2)セルビア(3)アルバニア(2)マケドニア(3)トルコ(3)ギリシア(2)計29編の物語とたっぷりの挿絵という贅沢な民話集。
読了日:05月30日 著者: 
クレーヴの奥方 (古典新訳文庫)クレーヴの奥方 (古典新訳文庫)感想
フランス文学史上初の心理小説と名高い作品ですが実は初読み。私が普段読んでいるロマンス小説にあるようなラブシーンなどは一切ありませんが、とても切ない物語でした。とはいえ、その切なさは、読む前に想像していたものとは少し違っていましたが……。
読了日:05月27日 著者:ラファイエット夫人
鳥は飛ぶのが楽しいか鳥は飛ぶのが楽しいか感想
ひゃーとか、ヒーとか、わあ!とか、思わず変な声を出しながら読んだ10編の連作小説。うちの1編「音楽の価格」の中で、最近は『鳥は飛ぶのが楽しいか』という本を連作小説の形で書いているという著者を思わせる僕が、その内容を2010年代の韓国で働いて食っていく上での問題をテーマにして短編集を作っています。就職、解雇、リストラ、自営業者、再建築みたいなモチーフで短編を一つずつ書こうと思っています。全部で十篇で…などと説明している。いやしかしまたすごい本を読んでしまった。
読了日:05月25日 著者:チャン・ガンミョン
幼ものがたり (福音館文庫 ノンフィクション)幼ものがたり (福音館文庫 ノンフィクション)感想
1907年生まれの石井桃子さんが、「古希」を迎える頃に執筆した幼い頃の回想録。物心ついて以来、何となく6人ひとかたまりのように考えてきた「きょうだい」が、1人2人と欠けていき、ついには自分ひとりになってしまったという桃子さんが、あれこれと思い出しながら語るのは、両親のこと祖父母のこと、4人の姉たちや兄のこと、同居していた「まあちゃん」のこと。舞台は明治の終わり頃で、私にとっては祖父母世代の話のはずなのに、読んでいるとどういうわけか胸が痛くなるような懐かしさでいっぱいに。
読了日:05月23日 著者:石井 桃子
講談えほん眠り猫 (日本傑作絵本シリーズ)講談えほん眠り猫 (日本傑作絵本シリーズ)感想
世に名高い「日光の眠り猫」の誕生にまつわる講談話。さすがの名調子に思わず、声を出して読みたくなります。 祝 #福音館70周年
読了日:05月20日 著者:宝井琴調
壊れた魂壊れた魂感想
音楽と物語が合わさって見事に紡ぐハーモニー。 音楽も小説も、時間や空間の隔たりをやすやすと飛び越えて、人と人の心を通わせることができるものなのだと、改めて感じ入った。
読了日:05月18日 著者:アキラ・ミズバヤシ
文學界(2022年5月号) (文學界新人賞発表)文學界(2022年5月号) (文學界新人賞発表)感想
(敬称略)片山亜紀による新訳ヴァージニア・ウルフ「今日の芸術はなぜ政治を気にかけるのか」と訳者解題、くどうれいん「へびの会話」、最果タヒ「『ふたつの波紋』を読んで」がいい。大森×川野×平岡という歌人座談会「幻想はあらがう」は、なかなか難解でわからないながらも興味深かった。
読了日:05月17日 著者: 
流浪蒼穹 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)流浪蒼穹 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
これはよかった!すごくよかった!!青春小説として読むことや、宇宙開発を絡めたSFとして読むことはもちろん、現代社会に置き換えて、中国と欧米諸国、あるいはロシアと……となどと、想像を巡らしながら社会派小説として読むことも可能だが、どう読んでもこれは傑作。読了まで思いの外時間がかかったが、じっくり読んだ甲斐があった。郝景芳、この先も目がはなせない作家だ。
読了日:05月16日 著者:郝 景芳
氷の城 (タリアイ・ヴェーソス・コレクション)氷の城 (タリアイ・ヴェーソス・コレクション)感想
なにもかもが凍てつく冬から雪解けの春まで、ノルウェーの美しく厳しい自然に、一人の少女の成長を重ね合わせて描く物語は、謎は謎のまま、全てを語り尽くしはしない。だが、きっとそれでいいのだ。人は誰も、自分のことも他人のことも「わかったような気に」なってしまいがちだが、結局のところ、わかっていることより、わからないことの方がはるかに多く、それでも時にその場で足踏みをしながらも、一歩一歩手探りで、進んでいくことしかできないのだから。
読了日:05月13日 著者:タリアイ・ヴェーソス
オオカミが来た朝 (世界傑作童話シリーズ)オオカミが来た朝 (世界傑作童話シリーズ)感想
オーストラリアを舞台に、1935年から2002年まで、巻頭表題作のケニーから彼のひ孫までの4世代。多感な子どもたちを取り巻く、貧困、老い、移民、識字障害、戦争、両親の不仲…。自分たちの力ではどうすることもできないあれこれの中にあって、それでも自らを励ましながら進んでいく子どもたちの姿を描いた、連作YA小説。リアルで切なくて、一見はかなげででもたくましい。静かなではあるけれど、胸が熱くなり、目が潤む、そんな物語。
読了日:05月12日 著者:ジュディス・クラーク
ナショナルな欲望のゆくえ: ソ連後のロシア文学を読み解くナショナルな欲望のゆくえ: ソ連後のロシア文学を読み解く感想
高校時代にドストエフスキーに熱中し、ソローキンをテーマに学位論文を書いたという1984年生まれの著者が、博士論文を基にその後の研究成果も踏まえて大幅に加筆修正して書き上げたいう本書は、2021年度日本ロシア文学会賞受賞作。ソ連崩壊後のロシアで多様化した文化や文学を、《ポストモダニズム》を軸に据えて読み解く試み。
読了日:05月10日 著者:松下 隆志
人類対自然 (エクス・リブリス)人類対自然 (エクス・リブリス)感想
12篇の作品が収録された本書は、アメリカの作家ダイアン・クックのデビュー短篇集Man V. Nature(2014)の全訳。どの作品もダークで奇妙で、愚かしくておかしくて、寂しくて哀しくて、でもなんだか妙に惹きつけられる。ちょっと忘れがたい作品集だった。
読了日:05月09日 著者:ダイアン・クック
放蕩子爵は砂漠のシーク (ラズベリーブックス)放蕩子爵は砂漠のシーク (ラズベリーブックス)感想
kindle unlimited:タイトルからも想像に難くは無かったが、設定もラブシーンももりもりでサービス過剰気味という気がしないでも。とはいえ、はまる人ははまるかな。
読了日:05月06日 著者:モニカ・バーンズ
恋に気づかない公爵 (ラズベリーブックス)恋に気づかない公爵 (ラズベリーブックス)感想
kindle unlimited:実務能力に長けた幼なじみのセシリアに、自身が相続したやっかいな遺産問題を解決してもらおうと求婚する公爵ジェイムズは、セシリアからの手厳しい拒絶に驚く。長年ジェイムズに思いを寄せてきたセシリアにとって、打算的な求婚は受け入れがたいものだった!?細かな設定はともかくありがちといえばありがちな展開ではある。でもまあ、それだけに安心して楽しめるかとも。
読了日:05月06日 著者:ジェイン・アシュフォード
求婚されなかった花嫁 (ラズベリーブックス)求婚されなかった花嫁 (ラズベリーブックス)感想
kindle unlimited:エラ・クインのこのシリーズはどうやら、前作までは脇役だった令嬢が、次々主役に躍り出る…という趣向のよう。がしかし、今回のカップルは、お互い無駄に我が強すぎて、堂々巡りがくどすぎる気も。前作『堅物侯爵…』の方が、好みだったな。
読了日:05月06日 著者:エラ・クイン
プエルトリコ行き477便 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)プエルトリコ行き477便 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
スリルあり、スピード感あり、一気読みせずにはいられない!?それでもやはり、結末についても、他のしかけについても、話したいが話せない。こういう作品は他人のレビューを読むよりもまずは本を読むのがお薦め!?
読了日:05月06日 著者:ジュリー・クラーク

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