かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2022年7月の読書

7月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:5980
ナイス数:465

アンティゴネ (光文社古典新訳文庫)アンティゴネ (光文社古典新訳文庫)感想
とある本からの派生で読んだギリシャ神話を題材にした戯曲。昔読んだソポクレースのものとはだいぶ印象が違う気がして、読み比べしたくなってきた。こうしてどんどん“芋づる”が……。
読了日:07月28日 著者:ブレヒト
帰りたい帰りたい感想
ヒースロー空港で始まった物語の舞台は、マサチューセッツ、ロンドン、ラッカ、イスタンブール、カラチへと移りゆき、思いも寄らない結末へとたどり着く。 家族とは、愛とは、宗教とは、国籍とは、法律とは、正義とは……。 その意味、そのあり方、そのあやうさについて、そしてまた、生きづらい社会の中で、生きていくということについて、あれこれと考えずにはいられない。 ものすごく衝撃的な本だった。
読了日:07月27日 著者:カミーラ・シャムジー
後宮の烏 7 (集英社オレンジ文庫)後宮の烏 7 (集英社オレンジ文庫)感想
大団円。あの人もこの人も結構いい人だった説。めでたしめでたしでこれはこれよかったとおもう一方で、初めの頃のあの迫力がちょっと恋しい気がしないでも。
読了日:07月25日 著者:白川 紺子,香魚子
南の子供たち (創元推理文庫 Mロ 3-14)南の子供たち (創元推理文庫 Mロ 3-14)感想
8年ぶりの新作!?読者はすっかり歳をとったが、主役の二人は相変わらずで、変わったのは小道具として使われるテクノロジーだけなのか!と思ったら…あれ?そうでもないのかも!?このシリーズはやっぱり大好き。この先も順調に翻訳刊行されますように。
読了日:07月25日 著者:S・J・ローザン
やりなおし世界文学やりなおし世界文学感想
未読の本が読みたくなるのは想定内だが、読んだことのある本の話がこれほど面白いとは。まさにいろいろやりなおしたくなる一冊だ。
読了日:07月23日 著者:津村 記久子
住所,不定 (STAMP BOOKS)住所,不定 (STAMP BOOKS)感想
もうすぐ13歳になるフィーリックスは、母親アストリッドと二人でバンクーバーで暮らしている。どのあたりかを説明するのは難しい。なぜって寝る場所はその日によって違うから。もちろんこれは一時的なこと。アストリッドの仕事が見つかるまで、どこか手頃な家賃のアパートが借りられるまで…。けれどもそんな生活が、ひと月、ふた月と続くことになり、住まいどころか、食べるものにも事欠く始末。そのうえ、この窮地を脱するためにとアストリッドがつぎつぎ繰り出す「工夫」もまた、フィーリックスの心を追い詰めていくのだった。
読了日:07月21日 著者:スーザン・ニールセン
血を分けた子ども血を分けた子ども感想
収録されているのは7つの小説と2つのエッセイ。それぞれの作品はもちろんのこと、この並び、この構成もまたすばらしい。作家によるまえがきから、訳者によるあとがきまで、隅々まで読み応えのある短編集。どの作品も良かったがあえてあげるならお気に入りは「血を分けた子ども」「前向きな強迫観念」「マーサ記」あたり。
読了日:07月19日 著者:オクテイヴィア・E・バトラー
ドグラ・マグラ(下) (角川文庫 緑 366-4)ドグラ・マグラ(下) (角川文庫 緑 366-4)感想
#カドブン夏フェア2022 思いのほか面白かったが、いやはや全く本当に、噂どおり変な本だった。 
読了日:07月18日 著者:夢野 久作
列車探偵ハル 王室列車の宝石どろぼうを追え!: 王室列車の宝石どろぼうを追え! (ハヤカワ・ジュニア・ミステリ)列車探偵ハル 王室列車の宝石どろぼうを追え!: 王室列車の宝石どろぼうを追え! (ハヤカワ・ジュニア・ミステリ)感想
これはなかなか楽しいぞ!小・中学生だけに読ませておくのも、列車好きだけに楽しませておくのももったいない!気がつけば、列車には全く興味が無かった主人公の少年ハルも、すっかり機関車ファンに。読者である私も、本とカメラを両手に抱え、列車の旅もいいかもなあ~などと、夢を見始めているのだった。 
読了日:07月17日 著者:M.G. レナード,サム セッジマン
言の葉の森——日本の恋の歌言の葉の森——日本の恋の歌感想
この本は、太宰治茨木のり子最果タヒなどの作品を韓国語に翻訳してきた韓国の人気翻訳家によるエッセイ集。百人一首古今和歌集から拾い出された小野小町紫式部清少納言和泉式部らが詠んだ三十一文字の世界が、二つの言語の間を行き来しながら、著者の日々の生活や仕事の中に溶け込んでいく。確かにこの歌に歌われるような切ない思いは、万国共通なのかもしれないなあと共感したり、あの歌からそんなことを連想するとは!と驚いたり。読んでいると何だか無性に、日本の古典文学を読みたくなってもくる。
読了日:07月14日 著者:チョン・スユン
ル・クレジオ、文学と書物への愛を語るル・クレジオ、文学と書物への愛を語る感想
「文学とは気晴らしなのでしょうか、人を魅惑するものなのでしょうか、警鐘を鳴らすものなのでしょうか。おそらくはそのすべてを同時に含むものなのです。」とル・クレジオは言う。2011年から2017年にかけて作家が、中国で行った15の講演をまとめたQuinze causeries en Chine. Aventure poétique et échanges littéraires (2019)の全訳。これはよかった。すごくよかった。
読了日:07月12日 著者:ル・クレジオ
ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)感想
#カドブン夏フェア2022 歴史的一大奇書だというこの作品。実は初読み。かなりくどい。グロテスクがくどいとくらくらするし、迷宮遊びがくどいと酔いが回る。でもこういうノリは嫌いではない。意外といけそうな気がして、下巻へ!
読了日:07月11日 著者:夢野 久作
アイギ詩集 (りぶるどるしおる)アイギ詩集 (りぶるどるしおる)感想
ノーベル賞候補にも挙がったことがあるというロシアの詩人が、先日読んだ『シェニヤル村の子どもたち』の著者エヴァ・リーシナのお兄さんだと知って、詩集を読んでみた。正直なところ詩集として堪能するには、読解力が及ばなかった。それでも、心地よい時間を過ごせた気はしている。
読了日:07月10日 著者:ゲンナジイ アイギ
にわか姫大夫の宮中事情 ~男装女官のお仕事~ (ビーズログ文庫)にわか姫大夫の宮中事情 ~男装女官のお仕事~ (ビーズログ文庫)感想
Kindle Unlimited 
読了日:07月08日 著者:小田 菜摘
リャマサーレス短篇集リャマサーレス短篇集感想
『黄色い雨』を連想させるダムに沈んだ町や周囲から隔絶された田舎の話もあれば、『狼たちの月』を思い起こさせる、内戦をモチーフにした作品も。そうかとおもうと「自滅的なドライバー」のように、(えー!ちょっと待って!ダメだよ!まずいよ!見てられないよ!)とハラハラしすぎて、思わず目を覆いたくなるような作品や、〆切が迫るのに原稿が書けない作家の苦悩を描く作品もあって。全部で21篇。次々と一気に読むよりも、少しずつ、ゆっくり味わいながら読むのがお勧めの短篇集だ。
読了日:07月07日 著者:フリオ・リャマサーレス
没落令嬢の異国結婚録3【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)没落令嬢の異国結婚録3【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)感想
Kindle Unlimited 結局最後まで一気に読んでしまった…。
読了日:07月06日 著者:江本 マシメサ
没落令嬢の異国結婚録2【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)没落令嬢の異国結婚録2【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)感想
Kindle Unlimited またもや読んでしまった。
読了日:07月06日 著者:江本 マシメサ
没落令嬢の異国結婚録【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)没落令嬢の異国結婚録【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)感想
Kindle Unlimited 突っ込み処は満載だけれど、疲れているときにはこの甘さもなかなか味わいがある。
読了日:07月06日 著者:江本 マシメサ
結界師の一輪華 (角川文庫)結界師の一輪華 (角川文庫)感想
ツンデレとシンデレラ系に結界師式神、妖魔などファンタジー風味を+して賑やかに!一応物語は完結しているが、これ絶対続き出るでしょっ!というあれこれ気になる展開はずるいぞ!? #カドブン夏フェア2022
読了日:07月06日 著者:クレハ
スモモの木の啓示 (EXLIBRIS)スモモの木の啓示 (EXLIBRIS)感想
★★★★★厳しい社会背景に、自然や伝承、夢やはかない希望が混ぜ込まれたマジック・リアリズムの世界。ガルシア・マルケスの『百年の孤独』の迷宮や『千一夜物語』の不思議な世界を思い起こさせるだけでなく、厳しい社会の現実から目をそらすことをも許さないこの物語は、イラン出身の作家が亡命先のオースラトリアでペルシア語で執筆した作品。執筆、あるいは翻訳に、文字通り命をかけなければならない現実があることを、改めてつきつけられた1冊でもあった。
読了日:07月04日 著者:ショクーフェ・アーザル
嵐の守り手 3.戦いの行方嵐の守り手 3.戦いの行方感想
アイルランド出身の作者がアイルランドを舞台に、アイルランド神話をモチーフに書いたアイルランドファンタジー”三部作の最終章!「ほんとうのところ、ぼくたちの人となりは、世界がぼくたちを試すと決めるときまで、だれにもわからない。」“さあ、今度こそ決戦だ!?”と意気込むたびに次から次へと試練の波がやってきて、もう本当に苦しくなるが、まさにこれが試されるとき!最後の最後まで息が抜けない展開で、ぐいぐい読ませます。
読了日:07月01日 著者:キャサリン・ドイル

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