翻訳がやまねこ翻訳クラブのよしいかずみさんだというのでチェックしていた絵本です。
実際に手に取ってみると、表紙の手触りが、
なんだかかかし肌ざわりを思わせるようで、
ページをめくる前から、すっかりかかしファンに。
あたりまえといえば、あたりまえのことですが
かかしは、麦畑のみはりばんで、畑を守るのが仕事。
畑にはだれもいれません。
ぜったいに。
キツネやシカ、ネズミもカラスもおことわり。
雨の日も雪の日もカンカン照りの日も、
くる日もくる日も、たった一人で、畑をみはる。
それだけがかかしのしごとなんです。
ところが、ある日、
かかしの足元にカラスのひなが落ちてきました。
かかしはおもわず、
せなかのさおをぽきりとおってかがみこみ
ひなをすくいあげたのでした。
いうまでもなく、
カラスは畑の天敵です。
それでも、かかしは……。
この絵本のみどころはなんといっても、
美しい麦畑の四季と
その畑にポツンと立っているかかしの絵。
まっすぐに立つかかし
せなかがおれてうつむきかげんのかかし、
うしろすがたのかかし
かかしの気持ちがみごとに描き出された絵の数々。
カナダの兄弟画家テリー・ファン&エリック・ファン。
すっかりファンになりました。
しっかりおぼえておくことにします。