かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2023年1月の読書

1月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4545
ナイス数:359

脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~ (光文社古典新訳文庫)脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~ (光文社古典新訳文庫)感想
光文社古典新訳のこの本は、モーパッサンの多面的な文業やその魅力を紹介することをめざして編んだという中・短篇アンソロジー(全三巻)の第一弾。このシリーズは各巻に中編の秀作を最低二篇おさめ、他社の文庫で現在容易に読むことの出来る作品はなるべく除外するという方針で編まれているのだという。本書収録作品は「聖水係の男」「冷たいココはいかが!」「脂肪の塊(ブール・ド・スュイフ)」「マドモアゼル・フィフィ」「ローズ」「雨傘」「散歩」「ロンドリ姉妹」「痙攣(チック)」「持参金」の十篇。この短編集ならではの味わいも。
読了日:01月30日 著者:モーパッサン
疑惑の入会者 ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫)疑惑の入会者 ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫)感想
ロンドン結婚相談所シリーズ第3弾!シリーズも3作目ともなれば、顔なじみやご贔屓の登場人物たちも増えてきて、あの人この人の活躍も楽しみ。今回もたっぷりと楽しませてもらったし、次作も必ず買って読むと決めてがいるが、ベインブリッジ卿の悪役ぶりがあまりにはまっていたせいか、他の誰も彼もがいい人に見えすぎて、反社会的勢力がかっこよく持ち上げられすぎているのはちょっと気になるところ。もっともそんなことを言っていたら、大抵の犯罪小説は読めないかもしれないが。
読了日:01月27日 著者:アリスン・モントクレア
たけこのぞうたけこのぞう感想
3冊目の短編集『陽だまりの果て』で、第50回泉鏡花文学賞を受賞した大濱普美子さんのデビュー短編集。ある意味すごく写実的なのに、その一方でとても幻想的で、全くありえなにのに、すんなりと受け入れられる。どことなく懐かしく、とても切なくて、時折背中に寒気を感じ、一見どこにでもあるありふれた場所のようでありながら、二度とたどり着けないような不思議な世界に迷い込む。出し惜しみするわけではないが、どんな話だったかとあれこれ説明する気にはなれない。ただただこの世界に浸っていたいとしか。たとえ、溺れてしまっても……。
読了日:01月25日 著者:大濱 普美子
絶縁絶縁感想
アジア9都市9名の若い世代の作家が、「絶縁」をテーマに書いた短編小説を収録した日韓同時刊行のアンソロジー。 収録作品の多くは書きおろし作品で、訳者解説も充実した読み応えたっぷりの1冊。タイトルからして楽しい話が詰まっているはずはなかったが、“絶縁と接続を繰り返しながら”明るくなったりどす黒くなったり、思わず自分の足元の色を確認したくなってしまう読み応えたっぷりのアンソロジーだった。
読了日:01月23日 著者:村田沙耶香,アルフィアン・サアット,ハオ・ジンファン,ウィワット・ルートウィワットウォンサー,韓麗珠,ラシャムジャ,グエン・ゴック・トゥ,連明偉,チョン・セラン
思い出のスケッチブック:『クマのプーさん』挿絵画家が描くヴィクトリア朝ロンドン思い出のスケッチブック:『クマのプーさん』挿絵画家が描くヴィクトリア朝ロンドン感想
プーさんの挿絵画家として知られるE.H.シェパードが、自らの幼年時代をたっぷりのイラスト共に描いた自伝エッセイ。ページをめくるだけで思わず頬がゆるみ幸せな気分になれる1冊。
読了日:01月20日 著者:E・H・シェパード
優しい地獄優しい地獄感想
1984年、社会主義政権下のルーマニアに生まれ、混乱したポスト社会主義の中で少女時代を過ごした著者が、日本語で執筆したエッセイ集。せつなくて、痛々しくて、懐かしくて、美しくて、まるで血を流しているかのように生々しくて、どうしてこんなにせまってくるのだろうと思っていたら、「オートエスノグラフィー」という言葉に出会う。おそらく著者は自身の経験を詳細に書き起こすことで、自分自身をも研究対象にしているのだろう。そうして読者である私もまた、著者の記憶の中に入り込んで、私の目でその記憶を見つめ直す。
読了日:01月18日 著者:イリナ・グリゴレ
セルリアンブルー 海が見える家 下 (マグノリアブックス MB 46)セルリアンブルー 海が見える家 下 (マグノリアブックス MB 46)感想
「誰にだって安心して過ごすことができる場所が必要なんだ」という強いメッセージとともに、シリアスな中にも笑いがいっぱい、面白くて、愛おしくて、強くてやさしい、繰り返し楽しみたい極上のファンタジー
読了日:01月16日 著者:T.J.クルーン
セルリアンブルー 海が見える家 上 (マグノリアブックス MB 45)セルリアンブルー 海が見える家 上 (マグノリアブックス MB 45)感想
タイトルや装丁から、人生に疲れた大人が癒やされるような、ファンタジーだと思いこんでいたから、主人公のライナスが40歳の男性だと知っても、さほど驚きはしなかった。上巻前半はところどころにファンタジーネタを仕込みながらも、なかなか味わいと読み応えのあるお仕事小説といった雰囲気だったが、ライナスが島に着いた途端に、一気にファンタジー熱が上昇し、もう息が苦しくなるぐらい。まずいよこれ、面白すぎる!!頁をめくる手が止められずに、このまま下巻へとひた走る!!
読了日:01月13日 著者:T.J.クルーン
消えたソンタクホテルの支配人 (YA! STAND UP)消えたソンタクホテルの支配人 (YA! STAND UP)感想
書評サイト本が好き!を通じてのいただきもの。1910年の韓国併合によって日本の植民地支配がはじまる3年前、1907年に実際に起きたある事件を元に創作された韓国のYA小説。歴史的建造物がならぶ貞洞通り(チョンドンギル) を舞台とし、歴史に名を残すそうそうたる面々を相手どって、10代半ばの若者たちが活躍する探偵物語は、筋運びに少々荒さはあるもののスリルたっぷり。次にソウルに行く際には、必ずチョンドンギルに行ってみなければとガイドブックに印をつけた。
読了日:01月11日 著者:チョン ミョンソプ
パラディーソパラディーソ感想
一月半掛けて最後まで頁をめくったが、読み終えたという気はまったくしない。でも、それでいいのかなという気もしている。時折、思い出したように手に取って、偶然開いた頁を読みふける。そんな読み方でも楽しめる本だから。
読了日:01月09日 著者:ホセ・レサマ=リマ
チャタレー夫人の恋人 (光文社古典新訳文庫)チャタレー夫人の恋人 (光文社古典新訳文庫)感想
これはやっぱり大人の読み物!?、初読みではあるものの、いろいろな意味でなかなかやりなおし甲斐のある作品だった。 #やりなおし世界文学 
読了日:01月05日 著者:D・H・ロレンス
後宮の検屍女官4 (角川文庫)後宮の検屍女官4 (角川文庫)感想
検屍がテーマなのだから、死体がなかれば始まらないとわかってはいるが、この後宮、本当によく人が死ぬ。しかも今度は大物中の大物が!?今度こそ平穏な日々が…いうわけには、もちろんいかないよね、と次作を待つ。
読了日:01月04日 著者:小野はるか
パラダイス・ロスト ジョーカー・ゲーム (角川文庫)パラダイス・ロスト ジョーカー・ゲーム (角川文庫)感想
シリーズ3冊目。相変わらず面白いが、風呂敷が広くなった分、薄味になってきた気がしないでも。
読了日:01月04日 著者:柳 広司

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