かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

『ルミッキ1 血のように赤く』

 

ルミッキ・アンデション。リーヒマキから来た、スウェーデン系フィンランド人。
すべての物事について、吟味した意見を持っている少女。
物理だろうと哲学だろうと、十点満点の成績を収めつづける少女。
オフィーリアの役を演じれば、教師のうち何人かはその演技に怒りだし、残りは深く感動する、そんな少女。
学校のみんなが参加する悪ふざけやイベントに、一切加わらない少女。
いつもひとりで食事しているのに、けっして孤独には見えない少女。
彼女はジグソーパズルのセットに含まれていないピースだった。はまるべき場所がないピース、それでいて、意外にもほぼすべての場所にすんなりはまり込みそうなピース。
彼女はほかのみんなとちがっていた。彼女はほかのみんなにそっくりだった。
                           (p31)



両親がつけてくれた「ルミッキ」という名前は、フィンランド語で「白雪姫」を意味するが、実際のところルミッキの髪は黒くないし、肌は白く輝いてもいない。現実とは全然釣り合っていないと彼女は思っているのだが、そのことを特段気にしているわけでもなさそうだ。

エリート校への進学を理由に親元を離れ一人暮らしをしている彼女は、極力他人に関わらないことをモットーにしているのだが、ある日、始業時間までの避難場所として時折利用していた暗室で、血のついた札束を目撃してしまったことをきっかけに、クラスメートとともに犯罪事件に巻き込まれてしまうのだった。

主人公は高校生の女の子のはずなのになにやら複雑な背景を背負っているようで、孤高の存在と思われたのに妙なところで情に厚く、巻き込まれ型のヒロインと思いきや自ら渦中に飛び込んでいく無鉄砲さもあって…。

いやはやこれはハラハラドキドキが止まらないノンストップミステリー。

高校生が巻き込まれるには、凄惨で巨悪な犯罪事件ではあるけれど、とにもかくにも頁をめくる手が止まらない。

事件は一応の解決を見せるし、これ一冊でも十二分の読み応えではあるが、実はこれ三部作の一作目、続きももちろん読まなくては!