かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2022年2月の読書

2月の読書メーター読んだ本の数:17読んだページ数:3820ナイス数:464あたまをつかった小さなおばあさん (世界傑作童話シリーズ)の感想ひとり暮らしのまずしいおばあさんが、あれこれ工夫して寒さをしのいだり、ネズミの被害を食い止めたり…という小咄がつ…

『なぜあらそうの?』

なぜあらそうの? 作者:ニコライ ポポフ BL出版 Amazon 最初のページに登場するのは、花咲く野原に1輪の花をもった1ぴきのカエル。満足そうにほほえむ顔がなかなかかわいい。続いて登場するのは、地面にあけた穴から、傘を片手に飛び出してきた1ぴきのネズ…

『さむがりやのスティーナ』

さむがりやのスティーナ 作者:ラニ・ヤマモト 平凡社 Amazon アイスランド発の絵本と聞いて手に取ってみた。タイトルにもあるとおり、スティーナはさむがりやの女の子。そのさむがりぶりは度を超していて、たとえ夏でもアイスなんかたべられないし、プールな…

『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? ; これからの経済と女性の話』

アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? ; これからの経済と女性の話 作者:カトリーン・マルサル 河出書房新社 Amazon フェミニズムはつねに、経済を語ってきた。ヴァージニア・ウルフは女性に「自分ひとりの部屋」が必要だと説いたが、そのためにはお金がか…

『自由研究には向かない殺人』

自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫) 作者:ホリー・ジャクソン 東京創元社 Amazon 巷で話題のミステリとして、気になってはいたのだけれど、実物を手に取ると570ページとずしりと重い。繁忙期の上、最近とみにこらえ性がなくなってきているから、最…

『ヌマヌマ: はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』

ヌマヌマ ; はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選 作者:ミハイル・シーシキン ほか 河出書房新社 Amazon 40年近く現代ロシア文学の最先端と共に走り続けてきた沼野充義氏(=ヌマ1)と沼野恭子氏(=ヌマ2)のお二人が編んだ傑作選。12篇のいず…

『手紙』

手紙 (新潮クレスト・ブックス) 作者:ミハイル シーシキン 新潮社 Amazon 新潮クレスト・ブックスの『手紙』は、現代ロシアを代表する作家といわれているミハイル・シーシキンの長編だ。 サーシャへ僕はここで必死に生きてるけど、でも君がいなかったら……君…

『プンスカジャム』

プンスカジャム (福音館創作童話シリーズ) 作者:くどう れいん 福音館書店 Amazon もうしらないぞ。もう、もうもう、もうもうもう、ぼくはおこった! 小学2年生のハルは、友だちのタニくんと約束をすっぽかされて、まちぼうけをくい、かんかんにおこっていま…

『恐怖の兜 (新・世界の神話)』

恐怖の兜 (新・世界の神話) 作者:ヴィクトル ペレーヴィン 角川書店 Amazon ある日、目覚めたら見知らぬ小さな部屋にいた。その部屋にあるのはベッドとパソコンのみ。「いったいここはどこなんだ?」現状を把握するためパソコン画面を覗き込むとチャットルー…

わたしを空腹にしないほうがいい エッセイ集『うたうおばけ』も、小説『氷柱の声』もとてもよかったから、コロナが落ち着いたらぜひ盛岡に遊びに行って、名物に舌鼓をうち、自動販売機でキンキンに冷えた『わたしを空腹にしないほうがいい』を買いたい!と思…

『あいたかったよ』

あいたかったよ 作者:エルズビエタ,Elzbieta,ELZBIETA 朔北社 Amazon フロンフロンとミュゼット。それが表紙のふたりの名前だ。小川をはさんでお向かいさんのふたりは、一日中いっしょにあそぶほどの仲良し。たがいに「おとなになったら、けっこんしたい」と…

『寝台特急 黄色い矢 (群像社ライブラリー)』

寝台特急 黄色い矢 (群像社ライブラリー) 作者:ヴィクトル ペレーヴィン 群像社 Amazon ペレーヴィンの作品を読むのは『宇宙飛行士オモン・ラー』に続いて2冊目。今回は90年代初め頃に書かれた7つの作品を収録した中短編集だ。ソ連邦解体直後の混乱期を…

『宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)』

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー) 作者:ヴィクトル ペレーヴィン 群像社 Amazon ゴミの臭いが漂う薄汚い穴蔵で、初めてワインを口にしたとき、オモンはすべてを理解した。人の一生が過ぎる穴蔵は確かに暗く汚く、あるいは自分たちにはそんな場所…

『話し足りなかった日』

話し足りなかった日 作者:イ・ラン リトル・モア Amazon 本書は映像作家で小説家でエッセイストでフェミニストで先生でジュンイチのママで漫画家でミュージシャンのイ・ラン(이랑)のエッセイ集だ。(ちなみにジュンイチは猫で、この本にはジュンイチのこと…

『ハムネット』

ハムネット (新潮クレスト・ブックス) 作者:マギー・オファーレル 新潮社 Amazon “シェイクスピアは18歳のときに8歳年上の女性と結婚し、半年後に長女が誕生した。その翌々年には男女の双子が生まれ、ハムネットとジュディスと名付けられた。ハムネットは…

『アリスとふたりのおかしな冒険』

アリスとふたりのおかしな冒険 (児童書) 作者:ナターシャ・ファラント 徳間書店 Amazon 物語は11歳の少女アリスと、売れない俳優のパパ、バーニーとパパのお姉さんで画家のペイシェンスおばさんの三人が、住みなれた<さくらんぼ屋敷>を引き払う場面から…

『滞空女: 屋根の上のモダンガール』

滞空女: 屋根の上のモダンガール 作者:ソリョン, パク 三一書房 Amazon 周(まわ)るの周(ジュ)に、龍の龍(リョン)、「“長い身を廻(めぐ)らせて世界を抱きとめよ”という意味なんだね。」と、夫が言う。実家の厳しい暮らし向きが原因で、二十歳になって…