かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年10月の読書

10月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:4136ナイス数:506彼女の名前は (単行本)の感想 『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョナムジュが、2017年の1年間に新聞や雑誌に書いた短いフィクションやエッセイに手を入れてた28篇を収録した…

図書新聞 第3469号 

今号の読みどころはなんといっても巻頭記事 サンソン回想録:フランス革命を生きた死刑執行人の物語 作者:オノレ・ド・バルザック 発売日: 2020/10/18 メディア: 単行本 フランス革命の影の主役――死刑執行人・サンソンの苦悩の生涯対談 西川秀和×安達正勝オノ…

『彼女の名前は』

彼女の名前は 作者:チョ・ナムジュ,小山内園子,すんみ 発売日: 2020/09/23 メディア: Kindle版 本書は 『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョナムジュが、2017年の1年間に、新聞や雑誌に書いた短いフィクションやエッセイに手を入れてた28篇を収録…

『ほんやく日和 vol.1』

Twitterでみかけて、とても気になっていた『ほんやく日和 19-20世紀女性作家作品集 vol.1』をようやく読んだ。 関西圏で活動する翻訳者が集まって結成された『同人倶楽部 ほんやく日和』による同人誌で、この第1号は2019年11月に初版が発行されている…

『私のなかのチェーホフ』

私のなかのチェーホフ (群像社ライブラリー) 作者:リジヤ アヴィーロワ メディア: 単行本 リジヤ・アヴィーロワは、チェーホフからもトルストイからもその力量を認められていた作家だそうだが、晩年につづった回想録『私のなかのチェーホフ』は、その内容から波…

夢を見た。

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく) 作者:頭木 弘樹 発売日: 2020/08/03 メディア: 単行本 このところ “絶望名人”でお馴染みの頭木さんの本を読んでいる。 アンソロジーや名言集ではなく、潰瘍性大腸炎を患った頭木さんご自身の体験をもとに書か…

『夏物語』

夏物語 (文春e-book) 作者:川上 未映子 発売日: 2019/07/11 メディア: Kindle版 きっかけは先頃読んだ『サブリナとコリーナ』の著者カリ・ファハルド-アンスタインさんと川上さんの対談記事だった。(ほう、川上作品は英語圏でも結構、読まれているんだなあ…

サラエボの鐘

イェレナ、いない女 他十三篇 作者:イボ・アンドリッチ 発売日: 2020/10/26 メディア: 単行本 ノーベル文学賞作家アンドリッチの新刊が出る。 短編やエッセイの他、散文詩「エクス・ポント(黒海より)」も 収録されているときいて、 昔読んだこの本のことを…

『第九の波』

第九の波 (韓国女性文学シリーズ8) 作者:チェ・ウンミ 発売日: 2020/09/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 初めから厳しい話だとわかってはいた。なにしろこのタイトル、19世紀ロシアの海洋画家イヴァン・アイヴァゾフスキーの代表作『第九の波』( Дев…

『メイドの手帖』

メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語 作者:ステファニー・ランド 発売日: 2020/08/13 メディア: Kindle版 この本のことはいつも豊富な話題で楽しませてくれる翻訳家の村井理子(@Riko_Murai)さんと双葉社…

『キャラメル色のわたし』

キャラメル色のわたし (鈴木出版の児童文学 この地球を生きる子どもたち) 作者:シャロン・M・ドレイパー 発売日: 2020/08/28 メディア: 単行本 「州のテストみたいな学校の正式な書類とか、細かく書かなきゃいけないものがあるでしょ。そのなかのひとつに人…

『わたしの心のなか』

わたしの心のなか (この地球を生きる子どもたち) 作者:シャロン・M. ドレイパー 発売日: 2014/09/19 メディア: 単行本 たとえば家族との会話でも、仕事のやりとりでもネットを通じての交流でも、本のレビューを書くという行為においてでさえ、どんなに言葉を…

『忘却についての一般論』

忘却についての一般論 (エクス・リブリス) 作者:ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ 発売日: 2020/08/28 メディア: 単行本 現代アンゴラ文学ときけば、常日頃から“本で旅する世界旅行”を趣味にしている私としては見過ごすことはできない。と、いいつつも、…

『ガルヴェイアスの犬』

ガルヴェイアスの犬 (新潮クレスト・ブックス) 作者:ペイショット,ジョゼ・ルイス 発売日: 2018/07/31 メディア: 単行本 時々、翻訳小説が苦手な理由の一つに登場人物の名前が覚えられないということを挙げる人がいるけれど一度に何冊かの翻訳小説を並行して…

『「世界文学」はつくられる: 1827-2020』

「世界文学」はつくられる: 1827-2020 作者:俊一郎, 秋草 発売日: 2020/07/10 メディア: 単行本 “「世界文学」とはなにか”と題される序章からはじまる本書は、およそ380ページにわたって展開される、比較文学や翻訳研究が専門の著者による学術論文集だ。「…