かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2021年7月の読書

7月の読書メーター読んだ本の数:19読んだページ数:6260ナイス数:509てんげんつうの感想新潮100冊読書会のために再読。読了日:07月31日 著者:畠中 恵もういちど【しゃばけシリーズ第20弾】の感想「もういちど」ってそういう意味か!あやかしものはい…

ヴァージニア・ウルフの『波』で翻訳読み比べ。

波〔新訳版〕 作者:ヴァージニア ウルフ 早川書房 Amazon 波 (ヴァージニア・ウルフコレクション) 作者:ヴァージニア ウルフ みすず書房 Amazon 『波』(原題:The Waves)は、1931年に発表された、ヴァージニア・ウルフ7作目の長編で、ウルフの著作の…

『波 (ヴァージニア・ウルフコレクション)』

波 (ヴァージニア・ウルフコレクション) 作者:ヴァージニア ウルフ みすず書房 Amazon 『波』(原題:The Waves)は、1931年に発表された、ヴァージニア・ウルフ7作目の長編で、ウルフの著作の中でも“最も実験的”と評されることの多い作品だ。あなたは…

『エルサレム』

エルサレム 作者:ゴンサロ・M・タヴァレス 河出書房新社 Amazon 5月29日、人も街もまだ目覚めていない夜明け前。重い病に冒されいるミリアは激しい痛みに耐えかねて通りに飛び出す。同じ頃ミリアの元恋人、エルンストは、身を投げようと窓から身を乗り出…

『奇跡 -ミラクル-』

奇跡―ミラクル― [詩集] 作者:長田弘 みすず書房 Amazon 書くとはじぶんに呼びかける声、じぶんを呼びとめる声を書き留めて、言葉にするということであると詩人は言う。そうして 「奇跡」というのは、めったにない希有な出来事というのとはちがうと思う。それ…

『祖国』

祖国 (上) 作者:フェルナンド・アラムブル 河出書房新社 Amazon 祖国 (下) 作者:フェルナンド・アラムブル 河出書房新社 Amazon 舞台はスペイン北部バスク地方の独立機運の高い閉鎖的な土地柄の小さな村。バスク地方の分離独立を求める民族組織ETA(Euska…

『ロンドン謎解き結婚相談所』

ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫) 作者:アリスン・モントクレア 東京創元社 Amazon ケンブリッジ大で学んだ“才媛”で、戦時中は特殊な訓練を受け、お国のためになにやら人には言えないようなあれこれをしてきたらしい小柄なアイリスは、度胸も“腕”も…

『キリンが小説を読んだら』

キリンが小説を読んだら 書肆侃侃房 Amazon 大きな声では言えないが、私は本当に現代日本文学にうとい。いろいろ面倒なことが起きかねないので「趣味は読書」などとは、極力言わないようにしているのだが、そういう情報はどこからともなく漏れてしまうもので…

『ラングザマー: 世界文学でたどる旅 (境界の文学)』

ラングザマー: 世界文学でたどる旅 (境界の文学) 作者:ラクーザ,イルマ 共和国 Amazon 本を読んでいると時折、(ああ!これはまさに私のことだ!)と思う瞬間がある。「そうそうそうなの!それこそ私が言いたかったことなのよ!」などと、「膝を打つ」ってこう…

『プルーストへの扉』

プルーストへの扉 作者:ファニー・ピション 白水社 Amazon 三千ページからなり、五百人の登場人物がいる文学史上最長の小説のひとつ、『失われた時を求めて』。「あまりの長さ躊躇している」「途中で挫折した」という人も多いはず。かくいう私も若い頃から、今…

『仕事の喜びと哀しみ』

仕事の喜びと哀しみ (K-BOOK PASS 1) 作者:リュジン, チャン クオン Amazon 表題作「仕事の喜びと哀しみ」がチャンビ新人小説賞を受賞し、韓国KBSでドラマ化もされた、とりわけ若い読者にお勧めの短篇集だと聞いていたので、刊行後すぐに手を伸ばすことはし…

『エルサレム〈以前〉のアイヒマン』

エルサレム〈以前〉のアイヒマン 作者:ベッティーナ・シュタングネト みすず書房 Amazon 1961年にアメリカ・エール大学のミルグラム博士によって行われた実験は、権威者による命令が個人を従属させ、他人に電気ショックを与えるといった残酷な行為さえも…