かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2021年8月の読書

8月の読書メーター読んだ本の数:20読んだページ数:4717ナイス数:670映画ノベライズ ハニーレモンソーダ (集英社オレンジ文庫)の感想#ナツイチ 長篇漫画が原作の映画版ノベライズなので、おそらくいろいろすっ飛ばしそぎ落としているのだろう、あらすじに…

『赤い魚の夫婦』

赤い魚の夫婦 作者:グアダルーペ・ネッテル 現代書館 Amazon 著者のグアダルーペ・ネッテル(Guadalupe Nettel)は、1973年メキシコシティ生まれの、現代メキシコを代表する女性作家。国際的にも高い評価を受けている作家の作品を初めて日本に紹介する短…

『後宮の検屍女官』

後宮の検屍女官 (角川文庫) 作者:小野はるか KADOKAWA Amazon 第6回角川文庫キャラクター小説大賞とをダブル受賞した“中華風後宮”ミステリー。発売後、一週間もしないうちに重版決定!と聞いて、こういうのって“何匹目のドジョウ”なのかしら?と思いつつ読ん…

『ハムレットの母親』

ハムレットの母親 作者:キャロリン・G. ハイルブラン みすず書房 Amazon キャロリン・G・ ハイルブランは、1926年生まれ。コロンビア大学で博士号を取得し、同大学で長く教鞭を執り、1992年に引退、名誉教授となった。専攻は近代イギリス文学、フェ…

『屍の街』

屍の街: 大田洋子 原爆作品集 作者:大田洋子 小鳥遊書房 Amazon もう随分前のことではあるが「屍の街」は読んだことがあったので、私は大田洋子を「原爆文学作家」として記憶してはいた。だが、それ以外の作品は読んだことがなく、作家自身についても、広島で…

『作家の秘められた人生』

作家の秘められた人生 (集英社文庫) 作者:ギヨーム・ミュッソ 集英社 Amazon 1964年、アメリカ人の父とフランス人の母との間にニューヨークで生まれたネイサン・フォウルズは、パリ近郊で幼年期を過ごしたあと、アメリカで学び、イエール大学で法学と政…

『骸骨』

骸骨:ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚 作者:ジェローム・K・ジェローム 国書刊行会 Amazon この装丁だし、てっきりおどろおどろしく怖い話が沢山詰まっているに違いないと思い込んでいて、(寝る前には読めそうにないけれど、さていつ読もうか?)などと…

『殺人ゲーム』

殺人ゲーム (角川文庫) 作者:レイチェル・アボット,関 麻衣子 KADOKAWA Amazon 夫マットの学生時代の友人の結婚式に夫婦そろって招待されたジェマはその友人ルーカスが大富豪で、式の会場が海沿いにあるお城のような屋敷だと知ってはじめて顔を合わせる面々…

『氷柱の声』

氷柱の声 作者:くどうれいん 講談社 Amazon 白い絵の具の上にさらに白を重ねながら息を、す、と止めて筆を走らせる。二〇一一年、二月のおわりのことだった。こんな書き出しで始まる物語の主人公兼語り手の伊智花は、東日本大震災のあったその年、盛岡の高校…

『曲亭の家』

曲亭の家 作者:西條奈加 角川春樹事務所 Amazon お路には、初めて顔を合わせた見合いの席から既に嫌な予感があったのだ。とはいえ、結婚は両家の親が決めるものであったし、なによりも彼女自身が「天下に名高い曲亭馬琴の家に嫁ぐ……」その誘惑に抗えなかった…

『家宝』

『家宝』 “ルビーには、中にインクルージョンがある。インクルージョンというのは異物のことで、宝石が不純なことを意味する。それは小さな管であったり、気泡であったり、ルチルのように別の鉱物の破片ということもある。ルビーの場合、それは品質の低下を…

『病むことについて 新装版』

病むことについて 新装版 作者:ヴァージニア・ウルフ みすず書房 Amazon ヴァージニア・ウルフがはじめて小説を世に送り出したのは、33歳の時のこと。作品は『船出』だった。そこから遡ること11年。22歳の時、『ガーディアン』紙にはじめて書評が載っ…

『ホワイト・フラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか?』

ホワイト・フラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか? 作者:ロビン・ディアンジェロ 明石書店 Amazon たとえば「それ偏見だよ」「ずいぶん差別的だね」と、誰かに指摘されたとしよう。おそらく私は躍起になって「そんなことはない」「それは誤…

『世界と僕のあいだに』

世界と僕のあいだに 作者:タナハシ・コーツ 慶應義塾大学出版会 Amazon 品のある装丁で詩的なタイトルの比較的薄い本だ。若い父親が14歳の息子に語りかけるという体裁をとりながら現代のアメリカ社会にあってアフリカン・アメリカンの男性がどのような境遇…

『うたうおばけ』

うたうおばけ 作者:くどうれいん 書肆侃侃房 Amazon はじめて“うたうおばけ”と出会ったのは、書肆侃侃房の「web侃づめ」(外部リンク)の連載を通じてだった。本当ならここは、“はじめてくどうれいんさんの著作に触れたのは”とでも書くべきなのだろうが、そ…

『子供時代 (ルリユール叢書)』

子供時代 (ルリユール叢書) 作者:サロート,ナタリー 幻戯書房 Amazon ---それじゃ、あなたはほんとうに、そんなことをするつもりなの?「子供時代の思い出を語る」……。この言葉は気詰まりな思いにさせるから、あなたは好きじゃない。でも、これしか適切な…