かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2022年1月の読書

1月の読書メーター読んだ本の数:26読んだページ数:7173ナイス数:367海をあげる (単行本)の感想著者はすごく他者との距離感が近い人なんだろうなと思う。 ピンチに陥ったときに駆けつけ、寄り添ってくれる友だちの多さからも、取材対象の少女たちにも慕わ…

『海をあげる』

海をあげる 作者:上間陽子 筑摩書房 Amazon 沖縄県出身の教育学者で、『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(2017年)の著者としても知られる琉球大学教授の上間陽子氏が2020年10月に刊行した初エッセイ集。「Yahoo!ニュース|本屋大賞2021 ノンフィクシ…

『火守』

火守 (角川書店単行本) 作者:劉 慈欣,池澤 春菜,西村 ツチカ KADOKAWA Amazon 人にはそれぞれ、空の上に自分だけの星がある。その星になにかあって、光が届かなくなっなら、人は病気になってしまう。もしも長い間、星が暗いままだったなら、命を落とす病気に…

『円 劉慈欣短篇集』

円 劉慈欣短篇集 作者:劉 慈欣 早川書房 Amazon はじめて読んだ劉慈欣作品は、ケン・リュウが編んだアンソロジー 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』に収録された「円」だった。この作品を初めて読んだときの私の感想は 秦の始皇帝指揮下3百万の軍隊…

『月の光 現代中国SFアンソロジー 』

月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:劉 慈欣・他 早川書房 Amazon 『折りたたみ北京』に続き、ケン・リュウが編んだ中国SFアンソロジー第2弾!『折りたたみ北京』刊行以降、日本でも単行本が刊行された劉慈欣、陳楸帆、…

『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 早川書房 Amazon 元々、SFには強い苦手意識を持っているにもかかわらず、何故この本に手を伸ばしたかと言えばそれはもういうまでもなく ケン・リュウの名前に惹かれたというミーハー…

『小鳥たち マトゥーテ短篇選』

小鳥たち マトゥーテ短篇選 (はじめて出逢う世界のおはなし) 作者:アナ・マリア・マトゥーテ 東宣出版 Amazon 東宣出版の“はじめて出逢う世界のおはなし”シリーズは、なかなか興味深いラインナップ。お値段は少々高めではあるけれど、できれば片っ端から読ん…

『夜な夜な天使は舞い降りる (はじめて出逢う世界のおはなし チェコ編)』

プラハのバロック様式の教会に夜な夜な集まってくるのは人間を見守ってくれている守護天使たち。教区司祭が聖具室で身体を温めようとミサ用のワインの在庫を少し失敬しているころ、天使たちはそれぞれが見守っている人々のことを話している。自分の担当する…

『韓国の小説家たちI』

韓国の小説家たちI (クオンインタビューシリーズ) 作者:ギホ, イ,ヘヨン, ピョン,ジョンウン, ファン,ヨンス, キム,ヨソン, クォン,スンヨン, ノ,ヨンジュン, チョン クオン Amazon 韓国の文芸誌『Axt』(アクスト)に掲載された、小説家が小説家にインタ…

『キオスク (はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編)』

キオスク (はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編) 作者:ゼーターラー,ローベルト 東宣出版 Amazon 都会の人たちが休暇を楽しみにやってくるような自然豊かなザルツカンマーグートで生まれ育ったフランツは、17歳のとき、ふるさとに母を残して単身…

『グルブ消息不明 (はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編)』

グルブ消息不明 (はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編) 作者:エドゥアルド メンドサ 東宣出版 Amazon 「スペイン文学」には明るくないがこれまで出会った作品には好印象をもっているものが多いので、この本にも大いに期待を抱いていた。がしかし、紹介…

『古森の秘密 (はじめて出逢う世界のおはなし)』

古森の秘密 (はじめて出逢う世界のおはなし) 作者:ブッツァーティ,ディーノ 東宣出版 Amazon ディーノ・ブッツァーティは1906年生まれのイタリアの作家で、ジャーナリストでもあり、画家でもあり、詩人でもある多才な人だったようだ。作家としてのデビュ…

『ベイカー街の女たち』

ベイカー街の女たち ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿1 (角川文庫) 作者:ミシェル・バークビイ KADOKAWA Amazon ベイカー街の女たちと幽霊少年団 ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿2 (角川文庫) 作者:ミシェル・バークビイ KADOK…

『千個の青』

千個の青 作者:チョン ソンラン 早川書房 Amazon 彼の名はコリー。ブロッコリーの色に似ていることから、ヨンジェによってそう名付けられた。元々の名前はC-27。競馬用に開発された騎手ヒューマノイドだ。競馬レースの弱点は騎手が人間だという点にあり…

『僕は李箱から文学を学んだ』

僕は李箱から文学を学んだ 作者:イヒョン, ユン,ホンギュ, ソン,ヒョソ, ク,ギョンウク, キム,スム, キム,ヘヨン, ピョン,エラン, キム,ヨンハ, キム,ジヨン, コン,ミンギュ, パク,ヨンス, キム,ヨソン, クォン,ギョンニン, キョン,ミギョン, チョン,ガン, …

『モンスーン』

モンスーン (エクス・リブリス) 作者:ピョン・ヘヨン 白水社 Amazon 創刊10周年を迎えた白水社のエクス・リブリスの記念すべき60作目が韓国文学だと知ったときからこの本は絶対読もうと心に決めていた。作者のピョン・へヨン氏が韓国国内だけでなく米国…

『カステラ』

カステラ 作者:パク ミンギュ クレイン Amazon 「第1回日本翻訳大賞」の二次選考対象にあがっていたこの作品、実を言うとこれまでノーマークだった。そういえば韓国の現代文学というものをまだ読んだことがなかった気がして慌てて手を伸ばしたのだが、これ…

『春の宵』

春の宵 (韓国女性文学シリーズ4) 作者:クォン・ヨソン 書肆侃侃房 Amazon 書肆侃侃房の韓国女性文学シリーズは全部読もうと決めているので事前に内容をチェックすることなく本を手にした。読み始めたらなんだか無性にお酒が飲みたくなってなんだろうこの気持…

『すべての、白いものたちの』

すべての、白いものたちの 作者:ハン・ガン 河出書房新社 Amazon 白いものについて書こうと決めた。そんな言葉で始まるこの本には、本当に白いものが詰まっている。時折、本から顔を上げ、私も白いものを探してみる。部屋の壁紙、レースのカーテン、空に浮か…

『回復する人間』

回復する人間 (エクス・リブリス) 作者:ハン・ガン 白水社 Amazon 同じ著者と翻訳者による『ギリシャ語の時間』がとてもよかったから、必ず読もうと思っていた本だ。・明るくなる前に・回復する人間・エウロパ・フンザ・青い石・左手・火とかげという7つの…

『ギリシャ語の時間』

ギリシャ語の時間 (韓国文学のオクリモノ) 作者:ガン, ハン 晶文社 Amazon ハン・ガンは現代韓国文学を代表する作家だと聞いていたからそう遠くない時期に読んでおこうとはとは思っていた。けれども、この本を手にとって冒頭の数ページを読んだら、この作家…