かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2021年1月の読書

1月の読書メーター読んだ本の数:20読んだページ数:3994ナイス数:394海にいったらいいの感想「父キトク」の報に、急遽ベオグラードから駆けつけた詩人は、病床に付き添いながら病院の売店で購入したノートに詩を綴った。全部で7冊にもなったというそのノ…

『海にいったらいい』

海にいったらいい 作者:山崎 佳代子 発売日: 2020/11/16 メディア: 単行本 「父キトク」の報に、急遽ベオグラードから駆けつけた詩人は病床に付き添いながら病院の売店で購入したノートに詩を綴った。全部で7冊にもなったというそのノートを1冊の詩集にま…

『戦争と子ども』

戦争と子ども (〈文明の庫〉双書) 作者:山崎 佳代子 発売日: 2015/10/01 メディア: 単行本 バニャ・ルカ市に住むゴガはなぜ見ず知らずのお婆さんを泊めることになったのかその顛末を語る。町にはクロアチアの村を追われた大勢の人々が流れ込んできて、彼女は…

『アウグストゥス』

アウグストゥス 作者:ウィリアムズ,ジョン 発売日: 2020/09/02 メディア: 単行本 あの『ストーナー』の著者の作品!という期待と、『ストーナー』とは違う訳者による翻訳であることや、古代ローマ&アウグストゥスといういささか新鮮味に欠ける題材であるこ…

『ストーナー』

ストーナー 作者:ジョン・ウィリアムズ 発売日: 2014/09/28 メディア: 単行本 主人公のウィリアム・ストーナーは、1891年、ミズーリ州中部の村の小さな農場の一人息子として生を受けた。当時、両親はまだ若かったが、長年の重労働のためにすっかり老け込…

『ベオグラード日誌』

ベオグラード日誌 (りぶるどるしおる) 作者:山崎 佳代子 メディア: 単行本 『そこから青い闇がささやき』に続き、詩人であり翻訳家でもある山崎佳代子さんの本を手にした。本書は2001年から2012年までの歳月を日記形式で綴った随筆で、第66回読売…

『そこから青い闇がささやき』

そこから青い闇がささやき 作者:山崎 佳代子 発売日: 2003/07/24 メディア: 単行本 私が山崎佳代子さんの名前を知ったのは自身をユーゴスラビアの作家と定義づけていたダニロ・キシュの翻訳者としてで、もちろん、その翻訳作品を通じて美しい言葉の紬手であ…

『オビー』

オビー (韓国女性文学シリーズ9) 作者:キム・ヘジン 発売日: 2020/11/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) 『中央駅』を読んだときにも思ったことだがキム・ヘジンという作家は、常にまっすぐ社会を見つめている。それも、ゴミが散乱する細くて暗い路地裏や…

中央駅

中央駅 作者:キム・ヘジン 発売日: 2019/11/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) 先日、久々に上京する機会があってこれまた久々にビルの高層階から窓の下を眺めた。所狭しと立ち並ぶ建物行き交う車駅に吸い込まれていく人々に地下道から掃き出されてきたよ…

『1984年に生まれて』

1984年に生まれて 作者:郝景芳 発売日: 2020/11/24 メディア: Kindle版 ヒューゴー賞を受賞したあの『折りたたみ北京』の作者で、白水社から出た短篇集も読み応えたっぷりだった郝景芳による長編小説がついに翻訳刊行された。これはもう、なんとしても読…

『郝景芳短篇集』

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス) 作者:郝景芳 発売日: 2019/03/21 メディア: 単行本 中国の作家郝景芳(ハオ・ジンファン)の邦訳短篇集。名前を聞いただけではピンとこなかったが、以前読んだケン・リュウ編の中国SFアンソロジー 『折りたたみ北京 現代…

『一九八四年[新訳版]』

一九八四年 (ハヤカワepi文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,高橋 和久 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 最初にお断りしておくが、私がこの本を手にするのは今回が初めてだ。そればかりか、ジョージ・オーウェルという作家の名前は知っていたものの、そ…

『きらめく共和国』

きらめく共和国 作者:アンドレス・バルバ 発売日: 2020/11/11 メディア: 単行本 サンクリストバルで命を落とした三十二人の子どもたちのことをたずねられたとき、相手の年齢によって私の答えは変わるこんな不穏な滑り出しで始まる物語は、ジャングルと川をか…