かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年7月の読書

7月の読書メーター読んだ本の数:17読んだページ数:3648ナイス数:641三十五氏の感想あれこれと思い出を語る追悼文。私は昔、直木三十五の『長谷川時雨が卅歳若かつたら』を読んで、三十五最低!と腹を立てたことがあったのだけれど、長谷川時雨自身は、ふ…

薔薇はシュラバで生まれる

薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記― (EAST PRESS COMICS) 作者:笹生 那実 発売日: 2020/02/12 メディア: コミック 小学6年生の時、美内すずえのデビュー作に出会いたちまち大ファンになった少女は、中学入学後、毎月欠かさずファ…

総特集 三原順 少女マンガ界のはみだしっ子

総特集 三原順 少女マンガ界のはみだしっ子 作者:三原 順 発売日: 2015/04/08 メディア: 単行本 もしかしたらお若い方はご存じないかもしれないが三原順(みはらじゅん)は1970年~80年代に活躍した漫画家だ。代表作に『はみだしっ子』や『ルーとソロ…

海女たち―愛を抱かずしてどうして海に入られようか

海女たち―愛を抱かずしてどうして海に入られようか 作者:ホ・ヨンソン,許 榮善 発売日: 2020/03/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) 白地に鮮やかな椿の花をあしらった装丁が印象的なこの本が韓国済州島出身の詩人による詩集だと知って興味を持った。済州…

いろいろな人たち(カレル・チャペックエッセイ集)

食べすぎたのか、食べたものが悪かったのか、 胃腸の具合が悪く 昨夜は就寝後、何度もベッドから抜け出して トイレに駆け込むはめに。 よく眠れなかったので 今朝はのんびり、二度寝して 自分を甘やかすことにした。 うとうととしながら、思い出して 本棚の…

アコーディオン弾きの息子

アコーディオン弾きの息子 (新潮クレスト・ブックス) 作者:アチャガ,ベルナルド 発売日: 2020/05/27 メディア: 単行本 1999年、アメリカのカリフォルニアにある牧場の墓地に、ひとりの男が埋葬された。墓碑には、英語、スペイン語、バスク語という3つの言語…

ムーミン谷の彗星

夜空に浮かぶ ネオワイズ彗星を眺めながら 思い出したのは トーベ・ヤンソンの『ムーミン谷の彗星』 次第に近づいてくる彗星に驚いたムーミントロールは 仲良しのスニフとともに 詳しいことを聞くために天文台にいってみることに。 途中でスナフキンや、スノ…

暗やみの中で一人枕をぬらす夜は

暗やみの中で一人枕をぬらす夜は―ブッシュ孝子全詩集 作者:ブッシュ 孝子 発売日: 2020/04/10 メディア: 単行本 久しぶりに詩集を買った。気になる本があって覗いた出版社のHPで一目惚れした本だ。早速手にとりふと開いたページに書かれた一節を声を出して…

直木三十五氏のこと

三十五氏 作者:長谷川 時雨 発売日: 2012/10/04 メディア: Kindle版 直木賞が話題にのぼるたびにいつも思うのだけれど 私は直木三十五の作品の魅力が全くわからない。 これまで、何度かチャレンジしてみたことはあるのだが、 読みかけては挫折し、書きかけて…

『桜の園』から『斜陽』に芋づる。

斜陽 (新潮文庫) 作者:治, 太宰 メディア: 文庫 10代の頃から 『人間失格』を愛読してきた私にも、読みながら“苦手だ”と思った太宰作品はあるわけで、その代表作(?)が本作だった。離婚歴があり、母親の元で暮らすかず子を語り手に、没落貴族の家庭を描…

チェーホフの命日だと聞いたので。

以前書いたレビューを引っ張り出して読み返してみた。 そういえばここから、太宰の『斜陽』につるがのびたのだったな。 ******** 桜の園/プロポーズ/熊 (光文社古典新訳文庫) 作者:チェーホフ 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 図書館の新着コーナー…

言葉の守り人(新しいマヤの文学)

言葉の守り人(新しいマヤの文学) 作者:ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ 発売日: 2020/06/19 メディア: Kindle版 あの頃、おじいさんたちが話してくれる昔話や小話を聞くのが、ぼくたち子供にとって楽しい時間の過ごし方だった。 物語はそんな回想から語り起こ…

女であるだけで(新しいマヤの文学)

女であるだけで (新しいマヤの文学) 作者:ソル・ケー・モオ,フェリペ・エルナンデス・デ・ラ・クルス 発売日: 2020/02/29 メディア: Kindle版 夫殺しの罪に問われて禁固20年の判決をうけ収監されていたオノリーナは、恩赦を求める世論の高まりを受け、放免…

死者の軍隊の将軍(東欧の想像力)

昔むかし、一人の将軍と一人の司祭が幸運を求めて出かけました。いえ、幸運を求めて出かけたのではありません。二人は、大きな戦争で亡くなった兵隊さんの骨を探しに出かけたのです。 将軍は、その辛く過酷な行程の中で、いつか歳をとって引退をしたとき、孫…

敗残者(東欧の想像力)

ある者は希望を胸にまたある者は絶望を陸に置き去りにしようとして身一つで船に乗り込んで新天地に向かう…あるいは、命がけの船旅を経てようやく地に足をつけて、新しい一歩を踏み出す……そんな場面で始まる物語ならこれまでにもいくつか読んだことがある。けれ…

セージの花が咲いた。

セージの花が咲いた。 毎年、この季節になると梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』を思い出す。 西の魔女が死んだ (新潮文庫) 作者:香歩, 梨木 発売日: 2001/08/01 メディア: 文庫 この本を読んだ後の数年間、 魔女に触発されて、 花がつく前の葉を摘んで、 …