かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

詩歌

『引き出しに夕方をしまっておいた』

引き出しに夕方をしまっておいた (セレクション韓・詩) 作者:ハン・ガン クオン Amazon 引き出しに夕方をしまっておいたいろんなことを思い浮かべるにはこのタイトルだけでも十分だという気がしていた。夕焼け空を永遠にとどめておきたいとか。夜を足止めし…

『言の葉の森——日本の恋の歌』

言の葉の森——日本の恋の歌 作者:チョン・スユン 亜紀書房 Amazon 海外文学をこよなく愛す私にとって、翻訳家の存在は欠かせない。だが改めて考えてみると、日本の文学を海外に紹介する翻訳家さんたちの仕事について、思いを馳せることはあまりなかった。この…

『アイギ詩集』

アイギ詩集 (りぶるどるしおる) 作者:ゲンナジイ アイギ 書肆山田 Amazon ゲンナジイ・アイギは、疑いもなく、現代ロシア語詩の頂点の一つをなす詩人である。などと言えば、「日本ではまだ無名の、しかもロシア人でもないこの《辺境》出身者がどうしてまた……

『サイードから風が吹いてくると』

サイードから風が吹いてくると (Suzuki Yuriika Selection 1) 作者:鈴木ユリイカ 書肆侃侃房 Amazon 鈴木ユリイカは1941年生まれ。翻訳家でもあり、絵本作家でもある詩人で、2021年、本書で第39回日本現代詩人賞を受賞している。 サイードから風が…

『野生のアイリス』

野生のアイリス 作者:ルイーズ・グリュック KADOKAWA Amazon 2020年にノーベル文学賞を受賞したアメリカの詩人、ルイーズ・グリュック(Louise Glueck)氏の詩集。原書『The Wild Iris』は1993年にピュリッツァー賞詩部門も受賞している。左側のペー…

『奇跡 -ミラクル-』

奇跡―ミラクル― [詩集] 作者:長田弘 みすず書房 Amazon 書くとはじぶんに呼びかける声、じぶんを呼びとめる声を書き留めて、言葉にするということであると詩人は言う。そうして 「奇跡」というのは、めったにない希有な出来事というのとはちがうと思う。それ…

『海にいったらいい』

海にいったらいい 作者:山崎 佳代子 発売日: 2020/11/16 メディア: 単行本 「父キトク」の報に、急遽ベオグラードから駆けつけた詩人は病床に付き添いながら病院の売店で購入したノートに詩を綴った。全部で7冊にもなったというそのノートを1冊の詩集にま…

『サークル・ゲーム』

サークル・ゲーム 作者:マーガレット・アトウッド 発売日: 2020/05/14 メディア: ペーパーバック マーガレット・アトウッドが現代カナダ文学を代表する作家で日本でも『侍女の物語』をはじめ人気も評価も高い作家であることは知っていたが実をいうとこれまで…

原爆句抄―魂からしみ出る涙

原爆句抄: 魂からしみ出る涙 作者:松尾 あつゆき 発売日: 2017/09/04 メディア: Kindle版 松尾あつゆきは自由律俳句を詠む俳人だ。長崎で被曝した体験を俳句に詠んだことで知られていて、私もその句を以前、なにかの折に一つ二つ目にしたことがあったが、そ…

海女たち―愛を抱かずしてどうして海に入られようか

海女たち―愛を抱かずしてどうして海に入られようか 作者:ホ・ヨンソン,許 榮善 発売日: 2020/03/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) 白地に鮮やかな椿の花をあしらった装丁が印象的なこの本が韓国済州島出身の詩人による詩集だと知って興味を持った。済州…

暗やみの中で一人枕をぬらす夜は

暗やみの中で一人枕をぬらす夜は―ブッシュ孝子全詩集 作者:ブッシュ 孝子 発売日: 2020/04/10 メディア: 単行本 久しぶりに詩集を買った。気になる本があって覗いた出版社のHPで一目惚れした本だ。早速手にとりふと開いたページに書かれた一節を声を出して…