かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年2月の読書

2月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:4692ナイス数:346辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿の感想「この小説は香港人である私からシャーロック・ホームズへの恋文であると同時に、シャーロキアンである私から香港へのラブレターで…

『辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿』

辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿 (文春e-book) 作者:莫理斯(トレヴァーモリス) 文藝春秋 Amazon この小説は香港人である私からシャーロック・ホームズへの恋文であると同時に、シャーロキアンである私から香港へのラブレターでもあります。著…

『華語文学の新しい風 (サイノフォン)』

華語文学の新しい風 (サイノフォン) 白水社 Amazon “サイノフォン”という聞き慣れない言葉と、劉慈欣の名前に惹かれて手にした本。なんでも華語文学の新たな流れを紹介する白水社の新シリーズの第1巻なのだそう。 サイノフォン(華語語系文学/Sinophone Li…

『女たちの沈黙』

女たちの沈黙 作者:パット バーカー 早川書房 Amazon 10年にわたったトロイア戦争の最後の年。トロイアの近隣都市リュルネソスが、ギリシア連合軍によって滅ぼされた。目の前で夫や弟たちや同胞を殺されたリュルネソスの王妃ブリセイスは、囚われて奴隷と…

『イリアス』

ホメロス イリアス 上 (岩波文庫) 作者:松平 千秋 岩波書店 Amazon ホメロス イリアス 下 (岩波文庫) 作者:ホメロス 岩波書店 Amazon そもそも二人を争わしめたのは、いかなる神であったのか。いきなり、アカイア軍の総帥アガメムノンと勇将アキレウスの激し…

『青木きららのちょっとした冒険』

青木きららのちょっとした冒険 作者:藤野可織 講談社 Amazon 親子以上に年の離れた読友Kちゃんの、“とてもよかったがどう良かったのか言い表すのが難しいので、是非読んでみて感想を聞かせて欲しい”という言葉に促されて読んでみた。名前だけは知っていたが…

『水 本の小説』

水 本の小説 作者:北村 薫 新潮社 Amazon 最初にお断りしておくが、私は決して北村薫の良い読者ではない。忘れもしない2015年。作家が 『太宰治の辞書』というタイトルの本を出すと聞き、太宰ファンとしては読み逃せないと思いつつも、これがシリーズ物…

『ホメーロスのイーリアス物語』

ホメーロスのイーリアス物語 作者:バーバラ・レオニ ピカード 岩波書店 Amazon ホメーロスの二大叙情詩『イーリアス』と『オデュッセイア』が、ギリシアとトロイア(イーリアス)との間の長い戦争にまつわる物語であることや、『イーリアス』がアキレウスを…

『平凡すぎる犠牲者』

平凡すぎる犠牲者 (創元推理文庫) 作者:レイフ・GW・ペーション 東京創元社 Amazon それは確かに誰から見てもありふれた事件のように思われた。元々知り合いだったアル中(最近では“社会的に孤立している”とかいうらしい)の二人が、一緒にちょっと食事をし…

『見習い警官殺し』

見習い警官殺し 上 〈ベックストレーム警部シリーズ〉 (創元推理文庫) 作者:レイフ・GW・ペーション 東京創元社 Amazon 見習い警官殺し 下 (創元推理文庫) 作者:レイフ・GW・ペーション 東京創元社 Amazon 以前読んだ同じ作者による『許されざる者』がとて…

『瞬間』

瞬間 作者:ヴィスワヴァ・シンボルスカ 未知谷 Amazon ポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカ(1923~2012)が2002年にまとめた詩集の全訳。1996年にノーベル文学賞を受賞した後、初めて刊行された詩集でもある。翻訳は『終わりと始ま…

『終わりと始まり』

終わりと始まり 作者:ヴィスワヴァ・シンボルスカ 未知谷 Amazon 詩を読むのは好きだ。気に入った詩に出会うと選び抜かれた言葉とリズムを声に出して読みたくなる。だから、詩集を読むときはできるだけ一人になって、静かな部屋で読むのがいい。詩は書かれた…

『許されざる者』

許されざる者 (創元推理文庫) 作者:レイフ・GW・ペーション 東京創元社 Amazon 国家犯罪捜査局元長官のラーシュ・マッティン・ヨハンソンは、好物のホットドッグを手にしたまま脳塞栓で倒れ、一命はとりとめたものの右半身に麻痺が残ってしまう。激しい頭痛…

『グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実』

グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実 作者:アン・スウェイト 国書刊行会 Amazon 著者のアン・スウェイトはイギリスの著名な伝記作家で、東京女子大学で教鞭をとったこともあるのだそう。中でも「A.A. Milne: His Life」(…