フロンフロンとミュゼット。
それが表紙のふたりの名前だ。
小川をはさんでお向かいさんのふたりは、
一日中いっしょにあそぶほどの仲良し。
たがいに「おとなになったら、けっこんしたい」と思っている。
ところがある日をさかいに、
ふたりは遊べなくなるどころか、会うことさえできなくなってしまう。
戦争がはじまったのだ。
小川のほとりにはいばらのかきねがはりめぐらされ、
フロンフロンのパパも戦場にかりだされていく。
フロンフロンはママに「どうして?」「どうして?」と問いかける。
やがて爆音がやみ、けがをしたパパが帰ってくる。
「せんそうはおわったの?」というフロンフロンの問いに対する
パパのこたえは……。
単なるハッピーエンドで終わらない、
余韻ののこる絵本だった。