かもめもかも

かもめのつぶやきメモ

『エミリ、ときどきマーメイド』

 

エミリは12歳。
ママとふたり、ヨットで暮らしている。

中学1年になってはじめて
水泳の授業を受けることになって
ものすごく楽しみにしていた。

なぜって、水の中に入るのはこれが初めてだったから!

エミリのママは水泳が大嫌いで、
エミリにもずーっと泳ぐことを禁止していたのだ。

「なんで?」て、なんど聞いてもいつだってはぐらかして、
さいごはケンカになるのがおちだった。

そんなわけで、エミリは、
これまで一度も水につかったことがなかったのだ。
プールにも海にも、お風呂にさえも!!
あ、でもべつにふけつってわけじゃない。
シャワーは毎晩浴びているからね。

ところがある水曜日の午後、
エミリはついにママの説得に成功し、
水泳の授業を受けられることに。

生まれてはじめて入ったプールで
見事な泳ぎを見せるエミリ。
奇妙なことに水の中で
“わたしの居場所はここだ”と思ったのだった。

ところが突然、両足がうごかなくなる。
先生はよくあることだ。つっただけだ。というけれど…
この違和感は……。

真相を確かめるため、
夜中に1人、ヨットの家を抜け出して
海に飛び込むエミリ。
気がつくと、尾ヒレをひとふりして、水の中をすべるように泳いでいたのだ!!

どうやらエミリは水に入ると人魚になってしまうよう。

いったいこれはどうしたことなの?

このひみつ、ママが知っているとはおもえない。

誰にも明かすことのできないひみつを抱えたエミリは、
ある夜、同世代の人魚ショナと知りあって、
人魚と人間が禁じられた恋におち、
ネプチューンの怒りをかい、
人魚は牢につながれて、人間は記憶を消されたという
“ロマンチック”な話を聞かされる。

もしかして、わたしのパパは?
もしかして、ママが水嫌いなわけは?

かわいらしいイラストもたっぷり。

ともだちのこと
かぞくのこと
じぶんじしんのこと
じぶんの居場所

いろんなことをかんがえながら、
真実をもとめて冒険にのりだすエミリを思わず応援したくなる!
そんな1冊。