難しそうだなあと思いながらも、
好奇心にかられて読み始めた論文集。
世界文学の中の漱石や谷崎、という視点が興味深く、
ところどころわからないながらもぐいぐいと読み進められた。
とりわけ面白かったのはソフィア大学のダリン・テネフ氏の書かれたもの。
「猫との会話と文学の可能態」なんて“文学ネコ”研究だもの!
物言う猫と沈黙を守る猫、語る猫と無口な猫。
19世紀初頭以来、文学作品の中で増加した話す猫。
彼らの多くは雄でおしなべて大変聡明で雄弁!?
いやー面白い、ここからはじまる一連の考察。
紹介されている猫に片っ端から会いに行きたくなってきた。
あんまり面白かったから、ぜひ手元に置いておきたいという気も。
ただこれ、お値段がねえ。
もう少し熱が冷めた頃、再考しよう。そうしよう。
でももし、ダリン・テネフ氏の単著が翻訳されたら
絶対買ってしまうと思うな。